「稲木の別」の祖を祀る式内「稲木神社」跡? 「石作神社」とも
田中天神社 愛知県犬山市天神町3-15
[住所]愛知県犬山市天神町3-15
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田中天神社(たなかてんじん)は、愛知県犬山市天神町にある神社。単に田中天神とも。境内案内には「田中天神跡」とある。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』尾張国丹羽郡にある「稲木神社」「石作神社」に比定される式内社(小社)の論社。

田中天神とは、稲木神社の俗称だという。御祭神は大中津日子命で、少彦名命菅原道真公を相殿に祀る。

大中津日子命は、第11代垂仁天皇と、その皇后である比婆須比売命の子。兄に、第12代景行天皇などがいる。『古事記』では皇子だが、『日本書紀』では「大中姫命」と表記され、皇女。

『古事記』に、「山辺の別、三枝の別、稲木の別、阿太の別、尾張国の三野の別、吉備国の石无の別、許呂母の別、高巣鹿の別、飛鳥の君、牟礼の別らの祖」とある。

「稲木の別」はそのまま式内社「稲木神社」を連想させる。

この地は上古から人の住み着いたところで、豊岡の一部も開墾する程だった。しかし、天神川と青木川の氾濫による被害も大きく、住民は豊岡、余坂、木ノ下などへ移住していったという。

移住後も田中天神は鎮座していたが、江戸時代中期の明和4年(1767年)、参詣の便が悪いとして、余坂の現鎮座地に遷座した。

それが現在、犬山市犬山の天神社である。なお、式内社「稲木神社」の論社は他に、江南市寄木に式内同名神社がある。

現在地は旧社地として、鳥居、小社を残し、今日に至っている。

また、当地付近には石作という字名があり、一部に「石作神社」の論社とされる。

尾張国には式内社だけでも、丹羽郡の当社などの他、山田郡、葉栗郡、中島郡にそれぞれ「石作神社」があり、山田郡以外、それぞれ複数の論社がある。

丹羽郡の式内社「石作神社」の論社は他に、犬山市今井の石作神社、江南市石枕町の神明社(石作神社・石作神社神明宮)、江南市北山町西の八劔神社に合祀されたものがある。

【ご利益】
地域安全、地域振興、事業成功、産業振興
田中天神社 愛知県犬山市天神町
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