尾張氏の系列である石作連の祖を祀る、10月にオマント岩作警固祭り
[住所]愛知県長久手市岩作宮後17
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石作神社(いしづくりじんじゃ/いしつくりじんじゃ)は、愛知県長久手市岩作宮後にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「石作神社(尾張国・山田郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

鎮座は平安時代前期、仁明天皇の承和元年(834年)という。御祭神は建真利根命。

建真利根命は、天火明命の六世孫。天火明命の子、天香語山命の子の天村雲命の六世孫とも。第11代垂仁天皇の皇后日葉酢媛命の石棺を作って献上したと伝えられる。

尾張氏の系列である石作連(やざこむらじ)の祖。また、小島県主の祖。ちなみに、当社名も「やざこ」と読まれる場合も。地名の「岩作」については、「やざこ」と読む。

『和名類聚抄』には、山田郡の中に石作郷の名も見える。ただし、山田郡は後に荒廃し、当社地は愛知郡に編集されたという。

鎌倉時代末期、花園天皇の正和年間(1312年-1317年)、修造したという。江戸時代には「神明社」と称したという。

明治5年(1872年)5月、郷社に列し、明治40年(1907年)10月26日、神饌幣帛料供進社に指定された。

現在まで、伊那那伎大神伊邪那美大神天照大御神建甕槌神大山津見神大山咋神木花開耶姫神菊理姫命・王辰爾・大巳貴命応神天皇を合祀している。

王辰爾(おうじんに)を祀るのは珍しいか。第29代欽明天皇、第30代敏達天皇などに仕えた百済王辰斯王の子辰孫王を祖とする渡来人。

蘇我稲目、蘇我馬子など蘇我氏と親しく、功績により船史(ふねのふびと)の姓を賜った。後の船連(ふねのむらじ)である。

例祭は10月10日。10月第2日曜日に岩作の「オマント」と呼ばれる岩作警固祭りが行われる。県の無形民俗文化財に指定されている。

馬の背に標具(ダシ)を乗せ、鉄砲隊や棒隊などが警固し、岩作地区内を練り歩きながら、火縄銃を発砲し、氏神である当社へ奉納する勇壮な祭礼。

古くから尾張と西三河の農村部で豊年祭りとして行われてきた。「おまんと」は「馬の塔」から派生した祭礼とされ、当社以外にも、高浜おまんと祭り東浦町おまんと祭りなどがある。

境内社に、熱田社(日本武尊)、白山社(菊理姫命)、一ノ御埼社(神武皇后神功皇后か)、津島社(須佐之男命)などがある。

境外社に、岩作字久手田32番地、現在の五反田9番地に鎮座する直會神社(直会神社。神道毘命・大道毘命)がある。

なお、尾張国には式内社だけでも、山田郡の当社の他、中島郡、葉栗郡、丹羽郡にそれぞれ「石作神社」があり、山田郡の当社以外、複数の論社がある。

【ご利益】
産業発展、事業成功、一族・子孫繁栄、地域振興
石作神社 愛知県長久手市岩作宮後
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