社殿のない巨岩信仰の古態を残す式内三社の論社、8月に黒岩祇園祭
[住所]愛知県一宮市浅井町黒岩字石刀塚271
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石刀神社(いわとじんじゃ)は、愛知県一宮市浅井町黒岩石刀塚にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』尾張国中島郡にある「石刀神社」、さらに葉栗郡にある「石作神社」「大野神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

この地域は、中島郡ではなく、葉栗郡とされるが、木曽川の流れがたびたび変わっているため、郡境があいまいな面がある。

中島郡「石刀神社」の論社は他に、市内今伊勢町の同名神社、岐阜県羽島市桑原町の八剱神社がある。

葉栗郡「石作神社」は岐阜県羽島郡岐南町の石作神社が、「大野神社」は市内浅井町大野の大野神社が、それぞれ論社としてある。

当社は、第10代崇神天皇の御代、創建されたという。御祭神は八倉比売神。『尾張国神名帳』に「従三位 石刀天神」とある。

現在も正式な社殿はなく、古来より巨岩を御神体としている。御神体の巨岩は胴体岩と呼ばれ、長さ約6尺、幅約4尺の漆黒の岩で、太陽の光で黄金色に輝くという。

また、境外に約6尺四方の尾岩と呼ばれる巨岩がある。古代の信仰形態がそのまま残っているといえる。

八倉比売神については、徳島県徳島市国府町に式内名神大社八倉比売神社があり、その御祭神と同じ。天照大神の別名であるとする。

江戸時代は「黒岩天王」と称していたという。後述の祇園祭に見られる、祇園信仰だったと思われる。明治時代に現社号に改称した。

7月下旬、あるいは8月第1土曜日、黒岩祇園祭が開催される。黒岩石刀祇園祭りとも。

江戸幕府の命で薩摩藩が行った宝暦治水の労に感謝し、犠牲者の霊を慰めるため、江戸時代中期に始まったと伝えられる。

色鮮やかな大小400個の提灯で飾られた1両の山車と囃子はやしが特徴。

境内社に、奥宮・天王社・御鍬社・東の別宮がある。

【ご利益】
開運招福、厄災除け、病魔退散
石刀神社 愛知県一宮市浅井町黒岩石刀塚
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