航海守護と養蚕、雨乞いの神、伊勢貢納の三河赤引の糸と関連か
[住所]愛知県蒲郡市神ノ郷町森58
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赤日子神社(あかひこじんじゃ)は、愛知県蒲郡市神ノ郷町森にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 三河国 宝飯郡「赤日子神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

創立年代は不詳。御祭神は、彦火火出見尊豊玉日子命豊玉比売命。海神で、標高437メートルの遠望峰山・霊峰聖山にあって、遠州、三河、伊勢湾の航海を守護したという。

また、社名から、伊勢の神宮(伊勢神宮)に貢納された三河赤引の糸との関わりが指摘されている。

天智天皇甲戌9月、圭田に神札が加えられ、神家・巫戸があったという。天智天皇在位中に甲戌年はなく、次代の天武天皇3年・白鳳2年(674年)が甲戌年。

平安時代前期、『日本文徳実録』仁寿元年(851年)10月に、「授参河国赤孫神社従五位下」とある。

また、『日本三代実録』貞観7年(865年)12月26日条に、「授三河国従五位下赤孫神従五位上」がある。

平安時代後期の『三河国神名帳』には、「正二位赤孫大明神式内座宝飯郡」とある。

以降も、国司や領主に崇敬され、寄進状が10数通現存するという。特に雨乞いの霊験は顕著で、伊勢の多度神社と併称されたという。養蚕の守護神としても知られた。

明治5年(1872年)、郷社に列し、明治12年(1879年)7月改めて、三谷・牧山・五井・平田・小江・府相・新井形・竹谷・鹿島・拾石・西迫・柏原・清田・水竹・坂本の15ヶ村の郷社に指定された。

明治40年(1907年)10月、神饌幣帛料供進指定社に指定され、大正5年(1916年)3月14日、県社に昇格した。昭和7年(1932年)1月、久邇宮邦英王より自筆社号の額が寄進された。

例祭は10月19日。現在は10月第1日曜日か。特殊神事に、聖山山頂奥宮祭、農産物神霊祭、水神社祭があり、いずれも7月第1日曜日に斎行される。

南北朝から室町時代にかけての大般若経600巻、江戸時代後期の大和絵襖、江戸時代中期の瓦様素焼の狛犬、弥生時代のものと推定される石斧が伝わり、現在いずれも蒲郡市博物館に寄託・収蔵されている。

境内社に、金刀比羅神社・八幡社・高橋社・山見堂社・社口社などがある。三河養蚕祖神の石碑が祀られている。

【ご利益】
海上安全、産業振興、祈雨・天候
赤日子神社 愛知県蒲郡市神ノ郷町森
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