「荒山宮」継体朝の頃の創祀、室町期の本殿が重文、10月だんじり祭り
[住所]大阪府堺市南区宮山台2-3-1
[電話]072-297-0726

多治速比売神社(たじはやひめじんじゃ)は、大阪府堺市南区宮山台にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 和泉国 大鳥郡「多治速比売命神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

西暦530年ごろの創建と伝えられている。第26代継体天皇の御代となる。御祭神は多治速比売命(たじはやひめのみこと)。

女神として厄除・安産・縁結びの神として崇敬が厚いという。現在は本殿に素盞鳴尊菅原道真公も併せて祀られている。

明治初年までは総福寺と並存した神宮寺であったが、明治に入り、神仏分離の際、神社のみになった。

現在の本殿は室町時代の建造物で、三間社入母屋造で、正面に千鳥破風があり、大きな向拝があって、それに軒唐破風がついている。蟇股には下記の彫刻がある。

・向拝柱上部中央に龍・雲・浪、左右の表面に牡丹・唐獅子、裏面に雲・宝珠
・内法長押正面中央に桐、右に鯱、左に山茶花・松・幣
・北と南の側面に鯉・松・滝・雲

向拝の手挟は透彫で左右二個あり、向かって右は右面に芭蕉に蟷螂、左面に水に蓮、向かって左は右面に海藻と貝類、左面に水に花菖蒲が彫られている。

向拝の木鼻は獣頭のような変わった珍しい形が付けてある。芭蕉に蟷螂の彫刻は全国でもここだけとされる。

解体修理の際、天文8年(1539年)と天文10年(1541年)の墨書が発見され、文政2年(1819年)の棟札の写しの正確さが立証された。国の重要文化財に指定されている。

本殿は事前に予約すれば拝観可能。ただし、神事などにより、予約が取れない場合がある。

例祭は10月5日。現在は5日に近い日曜日に、秋祭りとして、だんじり祭りが行われる。下記のだんじりや神輿だんじりの宮入りで賑わう。

当社では、和田・平井・伏尾・太平寺・ 大庭寺の地車5台、野田尾・小代の子供御輿だんじり2台の計7台。

境内には13の末社がある。そのうち、式内社「坂上神社」「鴨神社」が含まれる。両者とも御祭神不詳、明治期に合祀された。

他に、大神社、住吉社、天照社、八幡社(誉田別命)、春日社、熊野社、白山社、弁天社(厳島神社。市杵嶋姫命)、稲荷社(稲荷魂命)、福石社、水天宮がある。

これら末社13社、あるいは当社すべてに関して、「荒山宮(こうぜんのみや)」とも呼ばれる。高山とも表記される。

このうち、福石社は、仲の良いお百姓夫婦に退治された貧乏神が変身したといわれる石が祀られている。1月6日には、「福石おこなひの式」の農業神事が行われる。

【ご利益】
厄災除け、安全、縁結び、学業・受験合格(公式HP
多治速比売神社 大阪府堺市南区宮山台
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多治速比売神社 大阪府堺市南区宮山台の御朱印