「奥の天神」神功皇后が酒造、戦国期に天神勧請、淀君の崇敬と社殿
[住所]大阪府大阪市住吉区住吉2-3-15
[電話]06-6659-2821

生根神社(いくねじんじゃ)は、大阪府大阪市住吉区住吉にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 住吉郡「生根神社」に比定される式内社(大社、月次新嘗)。近代社格では郷社。

創建は不詳。社伝では、住吉大社の創建以前から鎮座するというが、『住吉大社神代記』に当社に関する記述は見えない。

御祭神は少彦名命。酒造の神で、神功皇后も当社で酒を造り、住吉三神に献じたと伝わる。『古事記』にもそれを匂わす記述がみられる。

古来より、住吉の淡島明神との別名があって信仰者も多く、現在においても旧暦3月3日には淡島祭を行っている。なお、『神名帳考証』では御祭神を活津彦根命とする説を挙げる。

『新抄格勅符抄』大同元年(806年)牒によれば、当時の「生根神」には神戸として大和国から1戸が充てられていた。

戦国時代の文明14年(1482年)には境内に天満宮(菅原道真)が祀られ、この天満宮が信仰を集めたため、当社自体も「奥の天神」と通称されるようになった。

「奥」は大海神社のさらに奥に所在したことによる。この創設時の作という木造天神坐像が伝わる。この御神体は現在、市指定有形文化財。

慶長年間(1596年-1615年)には、現在の本殿が造営された。淀君の寄進によるという。正面には千鳥唐破風を付す。屋根は檜皮葺。現在は、府指定文化財。

江戸時代は住吉大社の摂社として推移しており、『住吉松葉大記』には摂末部に「奥天神社」として、住吉神宮寺の社僧が奉仕する旨とともに記されている。

明治維新後、明治5年(1872年)に住吉大社から分離独立、郷社に列した。また明治40年(1907年)以降、近隣の無格社塞神社2社・無格社竜王神社・村社種貸神社が境内に移された。

境内の紅梅殿は住吉大社の回廊を移築したものと伝わる。また、かつて建てられていた帆柱観音堂の礎石が、境内に伝世されている。

例祭は10月9日。7月19日には夏渡御祭がある。

なお、市内西成区に同名の神社がある。当社を勧請したもの。この西成区の同名神社も違う由緒で天神を祀り、「上の天神」と称されている。

【ご利益】
酒造、健康長寿、病気平癒、学業・受験合格
生根神社 大阪府大阪市住吉区住吉
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