複数の男女が一夜を過ごす「大原雑魚寝」、5月江文祭、9月八朔踊り
[住所]京都府京都市左京区大原野村町643
[電話]075-744-3176

江文神社(えぶみじんじゃ)は、京都府京都市左京区大原野村町にある神社。大原から静原に出る江文峠への峠道の傍らに鎮座する。大原八ヶ町の氏神である。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 愛宕郡「伊多太神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。御祭神は倉稲魂神。創建年代には諸説ある。

社伝によれば、三千院の鎮守神として創祀されたとも、延暦寺座主の円仁(慈覚大師)の勧請によるともいい、山王神道と深い関係を持ったという。

後方に聳える江文山(現 金比羅山)の頂に祀られていた神々を、山麓に社殿を建立して勧請したものともされる。

式内社「伊多太神社」の論社だが、有力ではないようだ。一般的に式内社「伊多太神社」は、左京区上高野の崇道神社境内社とされる。

中世には毘沙門堂江文寺という神仏習合の宮寺として栄えたが、織田信長の比叡山攻略の影響で退転したという。

例祭は5月5日。現在はその前日の5月4日。江文祭。氏子区域内の繁栄や安全を祈願しつつ、御輿3基が区域内を巡行する。途中の江文御旅所で神事や太鼓まわりがある。

9月1日前後の土曜日が八朔祭で、八朔踊りがある。宮座の青年たちが境内石段下に集って舞う。

男性は三度笠の道中姿、女性は大原女姿で輪を作る。楽器を用いず、独特の節の「道念音頭」に合わせる。演目はこの地ゆかりの「大原踊」「黒木踊」「小野霞の踊」など。

当社には『好色一代男』に描かれた「大原雑魚寝」の風俗があった。昔、村の大淵に大蛇が住み、里に出ては人を襲ったので里人は1ヶ所に隠れ難を逃れた。

これがいつしか、節分の夜に里人たちがこぞって参籠通夜するようになったという。一村の男女が闇の中で一夜を過ごすというこの風俗は、明治以前には禁止されたという。

境内社に、級長津彦神社(級長津彦命・発鳥神)、軻遇突智神社(軻遇突智神・飯道山神・八幡宮)、満山神社(愛宕神・御霊神・鹿島神)、天満宮社(天満宮・稲荷神)がある。

境外社として、大原大長瀬町鎮座の梅ノ宮神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、衣服・アパレル、生産・産業振興
江文神社 京都府京都市左京区大原野村町
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江文神社 京都府京都市左京区大原野村町の御朱印