「おちかた」武内宿禰と忍熊王の戦いの地、『源氏物語』旧跡の式内社
[住所]京都府宇治市宇治乙方62-1
[電話]-
彼方神社(おちかたじんじゃ)は、京都府宇治市宇治乙方にある神社。御朱印の有無は不明。
『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 宇治郡「宇治彼方神社」に比定される式内社(小社、鍬靫)。近代社格では村社。
社標が「式内彼方神社」となっているためか、これが社名だと考えられているものも見受けられるが、これはもちろん、式内社・彼方神社の意。
宇治川に架かる宇治橋の北東に鎮座する。現在は小祠と呼べるほどの小さな空間となっているが、由緒は長く、深い。
『日本書紀』神功皇后の条に、「彼方(おちかた)の疎林(あらら)の松原」が登場するが、当社地がこの地だとされる。
三韓征伐から帰還した神功皇后とその御子、武内宿禰方に対して、第14代仲哀天皇の子である忍熊王が反旗を翻した。
この戦いの様子は『古事記』にも描かれているが、「彼方の疎林の松原」という地名は登場しない。
『古事記』で描かれた、戦況不利となった武内宿禰方の難波根子建振熊命が一計を案じ、一旦武装を解除したように見せかけ、忍熊王の軍を騙し討ちした地ということになる。
創建は不詳。御祭神については諸説あり、大物主命、宗像神、日本武尊など。境内には享保18年(1733年)11月建立の灯籠に諏訪とあり、江戸時代には諏訪大明神とも。
実態としては、神功皇后の時代のこの戦いで、騙し討ちにあった忍熊王の兵士の慰霊と考えた方が良いか。『古事記』にも、忍熊王方はすべて殺されたと明記されている。
忍熊王自身は側近の伊佐比宿禰とともにこの地より逃げおおせたものの、間もなく琵琶湖で入水したという。どちらにしろ、この地での戦いが決定的なものだったことになる。
彼方については、境内が、宇治大橋の傍らの街道に面していることから、大路方(おおじかた)と称したのが、「おちかた」に転訛しともいう。
また、宇治川が山峡から流れ落ちることろに当たり、落方(おちかた)、つまり川の流れる方向によるともいう。
『源氏物語』「宇治十帖」「椎本」では、下記の歌が収録されている。遠方と彼方を掛け合わせている。
椎本(しいがもと)は、『源氏物語』第46帖、つまり宇治10帖の中の第2帖で物語後半において、その舞台となる。
例祭は12月6日。境内には巨石が祀られているが、由緒は不詳。
【ご利益】
水難除け、五穀豊穣、交通安全、諸願成就
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彼方神社(おちかたじんじゃ)は、京都府宇治市宇治乙方にある神社。御朱印の有無は不明。
『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 宇治郡「宇治彼方神社」に比定される式内社(小社、鍬靫)。近代社格では村社。
社標が「式内彼方神社」となっているためか、これが社名だと考えられているものも見受けられるが、これはもちろん、式内社・彼方神社の意。
宇治川に架かる宇治橋の北東に鎮座する。現在は小祠と呼べるほどの小さな空間となっているが、由緒は長く、深い。
『日本書紀』神功皇后の条に、「彼方(おちかた)の疎林(あらら)の松原」が登場するが、当社地がこの地だとされる。
三韓征伐から帰還した神功皇后とその御子、武内宿禰方に対して、第14代仲哀天皇の子である忍熊王が反旗を翻した。
この戦いの様子は『古事記』にも描かれているが、「彼方の疎林の松原」という地名は登場しない。
『古事記』で描かれた、戦況不利となった武内宿禰方の難波根子建振熊命が一計を案じ、一旦武装を解除したように見せかけ、忍熊王の軍を騙し討ちした地ということになる。
創建は不詳。御祭神については諸説あり、大物主命、宗像神、日本武尊など。境内には享保18年(1733年)11月建立の灯籠に諏訪とあり、江戸時代には諏訪大明神とも。
実態としては、神功皇后の時代のこの戦いで、騙し討ちにあった忍熊王の兵士の慰霊と考えた方が良いか。『古事記』にも、忍熊王方はすべて殺されたと明記されている。
忍熊王自身は側近の伊佐比宿禰とともにこの地より逃げおおせたものの、間もなく琵琶湖で入水したという。どちらにしろ、この地での戦いが決定的なものだったことになる。
彼方については、境内が、宇治大橋の傍らの街道に面していることから、大路方(おおじかた)と称したのが、「おちかた」に転訛しともいう。
また、宇治川が山峡から流れ落ちることろに当たり、落方(おちかた)、つまり川の流れる方向によるともいう。
『源氏物語』「宇治十帖」「椎本」では、下記の歌が収録されている。遠方と彼方を掛け合わせている。
八宮から薫への贈歌以前当社の境内には2本の椎の木があったといい、「椎本之古跡」とされている。現在はその石碑もある。以前は椎ヶ本社とも称したという。
山風に 霞吹きとく 声はあれど 隔てて見ゆる 遠方の白波
匂宮から八宮への返歌
遠方 こちの汀に 波は隔つとも なほ吹きかよへ 宇治の川風
椎本(しいがもと)は、『源氏物語』第46帖、つまり宇治10帖の中の第2帖で物語後半において、その舞台となる。
例祭は12月6日。境内には巨石が祀られているが、由緒は不詳。
【ご利益】
水難除け、五穀豊穣、交通安全、諸願成就
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