もとの式内社「深川神社」、現在は宇多天皇の母を奉斎、10月秋祭り
[住所]京都府京都市右京区宇多野福王子町52-6
[電話]075-463-0937

福王子神社(ふくおうじじんじゃ)は、京都府京都市右京区宇多野福王子町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 葛野郡「深川神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

社伝によれば、往古は深川神社と称し、式内に列したが、応仁の乱(1468年)で焼失した。

その後、江戸時代前期の寛永21年(1644年)に3代将軍徳川家光と覚深法親王が社殿を造営し、班子女王の陵墓が付近にあったことから、班子女王を祀った。

御祭神は班子皇后。宇多天皇の母、光孝天皇の皇后、桓武天皇の孫にあたる。宇多天皇が仁和寺を開いたことから、仁和寺の鎮守神とされる。

社名の由来は、班子女王が多くの皇子皇女を生んだことに由来するとも、「深川」が訛ったとも言われる。

深川神社については、境内社の夫荒社(ふこう)が「深川」に訛ったともされ、夫荒社が式内社ではないかともされる。

夫荒社は、夫荒神を祀り、夫荒神社とも、松尾大明神とも呼ばれる。

平安時代に洛北の氷室から宮中へ氷を献上する習わしがあり、その運搬の際に命を落とすこともあった役夫たちの霊を祀り、安全を祈願するために創建されたという。

平安時代の時世に、五位に達していない、人であって人ではない役夫たちを丁重に祀った、そしてそれが『延喜式神名帳』にも記載された、かもしれないとなると、ただ事ではない。

例祭は10月18日前後で秋期大祭。10月第3日曜日。秋祭りで神輿が巡行する。仁和寺では神輿が山門を通り、勅使門から宸殿前に進み、式典が行われる。

神輿が氏子達により威勢よく練られる山門前(午後2時半頃)や福王子交差点(午後3時半頃)は大勢の人で賑わいをみせる。

特に仁和寺山門の石段を御神輿が上り下りする様は圧巻。他に、1月7日に七草粥、2月3日に節分祭、11月18日にお火焚祭がある。

寛永再興の社殿2棟1基が国の重要文化財に指定されている。本殿は春日造・銅板葺、附たりとして棟札、石燈籠2基がある。

拝殿は入母屋造・銅板葺、鳥居は石造で、明神鳥居。境内には、年々大きくなっているといわれるさざれ石がある。

【ご利益】
子宝・安産、子育て、身体壮健、諸願成就
福王子神社 京都府京都市右京区宇多野福王子町
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福王子神社 京都府京都市右京区宇多野福王子町の御朱印