飛鳥期に天香古山命を勧請、古くは天満宮とも、瑞饋神輿や近世社殿
[住所]京都府京田辺市田辺棚倉15
[電話]0774-62-2460

棚倉孫神社(たなくらひこじんじゃ)は、京都府京田辺市田辺棚倉にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 綴喜郡「棚倉孫神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

戦国時代の大永6年(1526年)編纂『棚倉孫神社紀』によれば、飛鳥時代の第33代推古天皇31年(623年)9月、相楽郡の棚倉ノ庄より高倉下命を勧請し、創建したという。

別名を天香古山命(あめのかごやまのみこと)、また手栗彦彦命(たぐりひこのみこと)とも。

この手栗彦が社号の「棚倉孫」に転じたともいわれる。また、この地は養蚕が盛んで、棚倉とは蚕棚の小屋の意で、養蚕に関係のある神ともいう。

あるいは「田の谷(たなくら)」が、穀物への連想とあいまって、棚倉という文字が採られるようになったとも。

『日本三代実録』には、貞観元年(859年)正月27日に畿内七道諸神進階及び新叙があり、267社の中に「棚倉孫神」が従五位下から従五位上の神位を賜ったとある。

旧天神ノ森の産土神で、もとは天神社または天満宮とも称していたが、明治になって現社号に復称した。

そのためか、当社は式内社「天神社」の論社でもある。式内社「天神社」の論社は他に、市内松井の式内同名神社朱智神社がある。

例祭は10月15日。10月体育の日には、秋の収穫を祝って約30種の穀物や野菜などで飾られた「瑞饋神輿(ずいきみこし)」が巡行する。高さ3メートル、1.5メートル四方、重さ約1トン。

市指定文化財で、屋根に赤ズイキ、鳥居に青ズイキ、壁に大豆、三度豆、玄米、小豆、頂上の鳳凰には南瓜や百日紅の花がある。

他にも赤、青の唐辛子、赤なす、たかのつめ、菊の花など全部で30種類ほどの野菜や穀物、乾物が飾りつけられ、神々に五穀豊穣を祈願する。

拝殿は、江戸時代中期の明和5年(1768年)、再建されたもの。山城国綴喜郡田邊村・西河原村・田邊新田村が施主。縁高欄がめぐらされている。

五社殿があり、正一位寶蓮稲荷大明神、紅梅殿・老松殿、春日大明神・天照皇大神宮・八幡大菩薩、多賀神社、稲荷神社の五社が祀られている。

また、春日造りの金比羅社がある。幕末の嘉永4年(1851年)の境内配置図にすでにその名が見える。

建築年代は不明ながら、天保10年(1839年)に奉納された角力図が掲げられた絵馬殿がある。

他に、岸岱、西村楠亭、白川芝山、義山涼信、長沢廬鳳などから奉納された絵馬がある。

神宮寺だった松寿院跡が残る。真言宗に属し智積院の管下だった。山号は梅香山。江戸時代後期の天保15年(1844年)建造で、現在は当社の社務所。

鳥居は、江戸時代前期の元禄15年(1702年)、淀藩4代藩主石川主殿頭憲之が奉納した石鳥居である。本殿手前右手にある石造燈篭は桃山時代の作。

【ご利益】
平穏安寧、厄災除け、健康長寿(公式HP
棚倉孫神社 京都府京田辺市田辺棚倉
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