古くからの谷戸の鎮守、水と風の神、江戸期分祀で田無神社の后神に
[住所]東京都西東京市住吉町1-21-1
[電話]042-423-0890

尉殿神社(じょうどのじんじゃ)は、東京都西東京市住吉町にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創建当初、現在の西東京市谷戸町付近の宮山に尉殿権現があった。御祭神は、級長津彦命と級長戸辺命。

創建は建長年間(1249年-1256年)とも、正応年間(1288年-1292年)とも伝わる。どちらにしろ鎌倉時代。

江戸時代前期の元和8年(1622年)、上保谷村に級長戸辺命を、正保2年(1646年)、田無に級長津彦命を移し、それぞれ鎮守としたという。

前者の上保谷村の級長戸辺命が当社、後者の田無の級長津彦命が現在の田無神社であって、両社は夫婦神となった。

江戸時代初期の天和2年(1682年)に寄進された石燈籠一対が現存する。市の文化財に指定されている。

「上保谷村惣氏子」との銘文があり、上保谷の村民全てを「惣氏子」とする村鎮守であったことを証明している。

一方で、当社の創建は戦国時代の永正2年(1505年)とも。その場合、中世末期から村鎮守としての歴史を経て、江戸時代前期の石燈籠において、「惣氏子」という表現になった、とする。

旧御神体の倶利迦羅不動明王は水の神で、尉殿権現は風の神。水に乏しく、秋から冬にかけて風が吹き荒れた保谷の風土にふさわしい神との指摘がある。

倶利迦羅不動明王は現在、当社の別当寺だった寳晃院に安置されている。

なお、社頭の説明では、
級長殿尊世是は肥前国吉備神朝嶺に戸挟大明神と奉ニ崇敬。日向国小戸樟ヶ原に尉殿権現奉祝武州三峯にも奉崇敬候也。
とある。肥前国にも日向国にもそれらしい神や神社は見えず、不詳。

現在は大日霊貴命(天照大神)を合祀しているとも。境内社に、第六天神2社、稲荷神社3社がある。

例祭は10月1日。田無神社がその例大祭の様子を伝えており、現在は田無神社が当社を兼務しているようだ。

【ご利益】
五穀豊穣、地域安全、地域振興、家内安全
尉殿神社 東京都西東京市住吉町
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