平安期創建の六所宮、旧武蔵国最古の石造鳥居、地名にちなんで改称
[住所]東京都狛江市中和泉3-21-8
[電話]03-3489-8105

伊豆美神社(いずみじんじゃ)は、東京都狛江市中和泉にある神社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

平安時代の寛平元年(889年)、北谷村大塚山に六所宮として鎮座した。主祭神は大国魂大神。大国主尊とも。

六所宮ということで、武蔵国の一宮から六宮を併せ祀り、一の宮小野大神、二の宮小河大神、三の宮氷川大神、四の宮秩父大神、五の宮金佐奈大神、六の宮杉山大神

府中の六所宮、現在の大國魂神社と同様の構図で、武州六社明神(武州六社)。ちなみに、大國魂神社同様、当社の社殿は北面している。

なぜもう一つの六所宮が必要になったのかは不明だが、当地周辺は5-6世紀ごろの古墳が点在する「狛江古墳群」があり、当社至近にも兜塚古墳がある。

戦国時代の天文19年(1550年)、多摩川の洪水により流出、天文22年(1553年)、現在地に遷座した。

江戸時代にはこの地を領主とする井伊、石ヶ谷、松下の諸家により、毎年9月20日に恒例として金穀若干が寄進されていた。

江戸時代前期の慶安4年(1651年)、和泉の一部を領していた石谷清正の弟である旗本の石谷貞清が建立した鳥居が現存する。

高さ2.65メートル、市内最古、旧武蔵国としても最古とされる石造鳥居。日光東照宮鶴岡八幡宮と並ぶ関東三大鳥居とされる。

石谷貞清は、由比正雪の乱として知られる慶安の変の平定で功績を挙げた。鳥居の奉納は変の3ヶ月前。江戸町奉行就任直後に変が起きた。

明治になり、地名にちなんで現社号に改称した。神社名が地名となるケースが多い中で、地名にちなむ改称は珍しい。

明治16年(1883年)8月、郷社に列し、明治42年(19109年)9月、供進神社に指定された。狛江の旧6ヶ村の一つ、和泉の総鎮守として崇敬された。

現在の例祭は9月15日。神輿渡御がある。旧6ヶ村の鎮守6社の例大祭は9-10月に集中しており、当社はその最初を飾る。11月には狛江市民まつりがあり、当社を含めた6社の神輿が勢ぞろいする。

境内社に、諏訪神社・稲荷神社・山際神社・神明宮・疱瘡神社・厳島神社などがある。他に、井伊直弼敬慕碑などがある。

小泉次大夫吉次が末社に祀られているとされているが、どこに祀られているかは不明。

小泉次大夫は、江戸時代初期の旗本代官および用水奉行で、二ヶ領用水、六郷用水の建設にたずさわり、当地にもゆかりがある。

当社の兼務社に調布市佐須鎮座の虎狛神社、市内西野川の小足立八幡神社などがある。

【ご利益】
五穀豊穣、事業成功、地域安全、地域振興
伊豆美神社 東京都狛江市中和泉
【関連記事】
東京都の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、東京都に鎮座している神社の一覧
伊豆美神社 東京都狛江市中和泉の御朱印