飛鳥朝の創建、都内唯一最古の室町期本殿、獅子頭や木製の狛犬
[住所]東京都東大和市芋窪1-2067
[電話]042-561-2858

豊鹿嶋神社(とよかしまじんじゃ、豊鹿島神社)は、東京都東大和市芋窪にある神社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

飛鳥時代の慶雲4年(707年)夏8月、第38代天智天皇第四の姫と、蘇我倉山田ノ石川麿により創建されたと伝わる。御祭神は武御加豆智命

天智天皇第四の姫は、序列3位の妃で、蘇我倉山田石川麻呂の娘である蘇我姪娘(桜井娘)か。天智天皇は皇后を除く、上位3位までの妃が蘇我氏系。

一方で、第四の姫というのは、第四皇女を連想させるが、天智天皇の第四皇女は蘇我姪娘との間の子である阿閇皇女、後の元明天皇である。

狭山丘陵の一角を切り開いて、古くから「鹿島様」と呼ばれて親しまれた。明治以降「豊」を冠するようになったという。明治14年(1881年)3月、郷社に列した。

天文19年(1550年)建立が記された棟札があり、その本殿が都の重宝に指定されている。一間社流造で、都内に現存する最古、かつ唯一の室町時代建立の神社本殿。

『新編武蔵風土記稿』には文正元年(1466年)の棟札があったとあり、修復工事の時にもそれが立証され、天文19年の時は再建と考えられている。

本殿の規模は桁行(間口)が170.7センチ、身舎の梁間(奥行)が152.4センチ、向拝の梁間はやや狭くて140.4センチ。古くは屋根が厚板葺だった。

江戸時代後期の作である獅子頭三点が伝わる。市内で、古くから獅子舞が行われていたのは、豊鹿島神社と高木神社のみ。

当社の獅子舞は、明治時代に途絶えたため、過去に獅子舞が行われていたことを示す唯一の資料となっている。

本殿前に安置されている狛犬は、市内で唯一の木製で、阿形・吽形とも台座裏に江戸時代中期の宝暦10年(1760年)銘と「鹿嶋宮」などの墨書がある。

木製の狛犬は三多摩地方全域をみても、当社の他に、大國魂神社谷保天満宮など数例が知られるのみて、極めて貴重とされる。

例祭は9月15日。毎年9月第2土曜日午後、拝殿での式典後、本社神輿の宮出しが行われる。

神輿は氏子町内を練り歩き、午後7時にお旅所に到着して一泊し、翌日、午後1時、お旅所を出発して午後7時ごろ宮入して、祭りは最高潮に達する。

12月26日から供養するための物品を預かり始め、元旦からお焚き上げが行われる。新年にかけて、元旦午前10時まで甘酒と神酒が振舞われる。

境内末社に、日吉神社・産産社・稲荷神社・愛宕神社・白山神社がある。また、南方350メートル前後のところに「鹿島の要石」がある。

【ご利益】
事業成功、武運長久・勝運
豊鹿嶋神社 東京都東大和市芋窪
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