市街地整備で遷座繰り返した式内論社、平成に伊太祁曽神社を分祀
[住所]神奈川県横浜市都筑区中川6
[電話]045-941-3302 - 劔神社

杉山神社(すぎやまじんじゃ)は、神奈川県横浜市都筑区中川にある神社。神奈川県や近隣の東京都内に数多い杉山社の一つ。御朱印の有無は不明。

現在の地名から、中川杉山神社とも、旧大棚村に鎮座していたため、大棚杉山神社・大棚社、大棚中川杉山神社とも。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 都筑郡「杉山神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。『新編武蔵風土記稿』大棚村の条に「杉山社」とあり、杉山神社72社の一つ。近世までの当社の別当寺は「大杉」を山号とする龍福寺だった。

御祭神は、日本武尊。もともとは大棚477番地の杉の森、龍福寺付近に鎮座しており、大正3年(1914年)まで旧跡があったという。

明治45年(1912年)1月には中川町1084番地、大塚・歴博付近に遷座したが、市の港北ニュータウン事業による再開発のため、その後も度々遷座した。

昭和58年(1983年)11月30日、同町757番地の吾妻山山頂(元吾妻社跡地)に仮社殿を設け遷座。

さらに、平成4年(1992年)4月に新たな社地として同町1194番地が仮換地指定され、社殿が竣工した。これが現在地である。

この際、当社に最も関わりがあるとされる和歌山県の伊太祁曽神社より五十猛命の霊璽を拝受、以来旧来の祭神である日本武尊とともに祀られている。

現在は、八幡社・吾妻社・神明社を合祀、配神として、伊弉諾命伊弉册命橘姫応神天皇を祀る。

例祭は10月15日で、秋祭り。境内社に第六天社がある。境内には力石などが安置され、安政3年(1856年)の式内社を標榜する石碑が置かれている。

当社には神職が常駐しておらず、現在は青葉区荏田町にある劔神社の兼務社である。

なお、式内社「杉山神社」の論社は他に、横浜市内に緑区西八朔町港北区新吉田町都筑区茅ヶ崎町保土ケ谷区星川港北区新羽町2576都筑区勝田町西区中央の各杉山神社、鶴見区鶴見の鶴見神社がある。

当社も他の多くの論社と同じく、鶴見川水系(早渕川)沿いの高台に鎮座している。

【ご利益】
旅行・交通安全、木の神、厄災除け、夫婦和合
杉山神社 神奈川県横浜市都筑区中川
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