安房神社神主が飛鳥時代に創建、忌部氏の力で発展、式内有力論社
[住所]神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央57-18
[電話]045-941-3302 - 劔神社

杉山神社(すぎやまじんじゃ)は、神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央の都筑中央公園東端の高台にある神社。茅ヶ崎杉山神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 都筑郡「杉山神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

飛鳥時代の天武天皇白鳳3年(674年)、安房神社神主の忌部勝麻呂により武蔵国の杉山の岡に高御座巣日太命・天日和志命(天日鷲命)・由布津主命(阿八別彦命)の3柱が奉斎されたという。

当時の都筑郡は開拓者である忌部氏の勢力が強く、多くの古墳や環濠集落が作られ、武蔵国府の支配外にある一つの小国を形成しており、古東海道も横断し、物資の集散地だったという。

なお、この創建時期は、横浜市西区中央の同名神社と同じ。江戸時代前期の寛文11年(1671年)、社殿を造営したという。明治になり、旧茅ヶ崎村の郷社に列した。

明治43年(1910年)には無格社神明社など二社を合祀、大正9年(1920年)9月には神饌幣帛料供進社に指定された。

当社の背後にある山からは土器が出土しており、当地周辺において古くから人々の暮らしがあったことを示唆している。

『新編武蔵風土記稿』では当社こそ式内社「杉山神社」としている。また、郷土史家の戸倉英太郎も『杉山神社考』の中で当社を比定している。

御祭神については、当初と違い、現在は一般的に、主祭神が五十猛命で、天照大神倉稲魂神素戔嗚尊を合祀する。

神奈川県神社庁のサイトでは天照大神が御祭神となっている。天照大神は明治期に合祀した神明社の御祭神であろう。

また、『新編武蔵風土記稿』では、日本武尊が祀られたとの記載がある。神奈川県や近隣の東京都内に数多い杉山社の一つで、杉山神社72社の一つ。

吉田東悟『地名辞書』によると、当社の御神体は不動の像が刻まれた円経10センチの銅鏡とされる。

例祭は10月13日で、秋祭り。境内社に稲荷神社がある。当社には神職が常駐しておらず、現在は青葉区荏田町にある劔神社の兼務社。

なお、式内社「杉山神社」の論社は他に、横浜市内に緑区西八朔町港北区新吉田町都筑区中川保土ケ谷区星川港北区新羽町2576都筑区勝田町・西区中央の各杉山神社、鶴見区鶴見の鶴見神社がある。

当社も他の多くの論社と同じく、鶴見川水系(早渕川)沿いの高台に鎮座している。

【ご利益】
木の神、産業振興、事業成功、開運招福
杉山神社 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央
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