旧家の森家に1000年以上の歴史ある口伝、古墳や遺跡、別当は正福寺
杉山神社 神奈川県横浜市港北区新吉田町4509
[住所]神奈川県横浜市港北区新吉田町4509
[電話]045-731-1343 - 八幡社

杉山神社(すぎやまじんじゃ)は、神奈川県横浜市港北区新吉田町にある神社。神奈川県や近隣の東京都内に数多い杉山社の一つで、新吉田杉山神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 都筑郡「杉山神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

房総半島より移ってきた一族が祀ったとする説がある。創建時期は不明。御祭神は五十猛命

『新編武蔵風土記稿』吉田村の条にも「杉山社」とあり、杉山神社72社の一つ。当社の神宝や由緒書などは別当寺であった正福寺に保管されていたが、同寺の火災の際にすべて焼失したと伝えられている。

明治6年(1873年)には当時の都筑郡吉田村において郷社に列した。吉田村は明治22年(1889年)の合併により新田村となった。

明治41年(1908年)、新田村内の無格社3社を合祀、現在は、権五郎景政(鎌倉景政)・比野聖廟・素戔嗚尊を配祀する。比野聖廟は不詳。

『武蔵式社記』によれば、当地には「杉山という小地名がある」とされ、この地域の旧家で当社とも関わりがある森家には1000年以上の歴史を有するという口伝があるという。

森家の背後にある丘陵にはかつて大きな勢力を誇った土豪がいた証にもなる古墳の「浅間塚」がある。

『港北区史』によれば、森家の「森」は鎮守の森に由来し、同家は地元で「杉山さま」と呼ばれているという。

また、近くの早淵3丁目には「北川遺跡」「北川貝塚」がある。『新編武蔵風土記稿』に「都筑郡吉田村に大きな貝塚があった」との記載と合致する。

さらに、地元において「貝塚畑」という呼称が残っているなど、この地域周辺における遺跡の存在は古くから知られていた。

論社が多い全国各地の式内社の中でも、式内社「杉山神社」はその論社の数では他を圧倒するものがあるが、当社はその中で有力な論社とされる。

当社も他の多くの論社と同じく、鶴見川水系(早渕川)沿いの高台に鎮座している。

例祭は10月9日で、秋季大祭。境内社に、稲荷様(稲荷社)・天神様(天神社)がある。当社は現在、保土ケ谷区瀬戸ケ谷町にある八幡社の兼務社である。

なお、式内社「杉山神社」の論社は他に、横浜市内に緑区西八朔町都筑区中川都筑区茅ヶ崎町保土ケ谷区星川港北区新羽町2576都筑区勝田町西区中央の各杉山神社、鶴見区鶴見の鶴見神社がある。

【ご利益】
木の神、厄災除け、諸願成就
杉山神社 神奈川県横浜市港北区新吉田町
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