長きにわたり長命寺が別当、鹿島社とも氷川社ともされた式内古社
[住所]埼玉県熊谷市板井824
[電話]048-583-3536

出雲乃伊波比神社(いずものいわいじんじゃ)は、埼玉県熊谷市板井にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 男衾郡「出雲乃伊波比神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創建年代は不詳。一説には奈良時代の天平年間(729年-749年)とも。平安時代末期から長命寺が別当として、当社の管理にあたった。

室町時代の文明年間(1469年-1487年)に鹿島明神を合祀し、現在も御祭神は武甕槌命

ただし、当然これが式内社としての御祭神とは考えづらく、『神名帳考証』『神祇志料』『大日本史』では大己貴命、『神名帳考証』『武藏の古社』では天穂日命としている。

江戸時代になっても、旗本の牛奥新五左衛門の采地となり、鹿島神を信仰したため、式内社としての記憶・記録が風化したという。

しかし、それでも式内社として多くの史料を有していたものの、明治時代になり、神仏分離の混乱で、それら資料が散逸。明治4年(1871年)、村社に列した。

長命寺古記録や、『神名帳考証土代二式考』などの記述をもとに、明治18年(1885年)あるいは明治28年(1895年)、式内社名である現社号が認められ改称・復称。例祭は4月17日。

『新編武蔵風土記』 にもあるように、また社前の架橋が八雲橋と呼ばれたように、当社は一般には氷川社とも考えられていたという。境内社の氷川神社が有名なためとも。

この和田吉野川に架けられた太鼓橋の八雲橋は、くぐって子供のはしか平癒を祈頼するものが多く、昭和の初め頃まで「はしか参り」が列をなしたという。

氷川神社の例祭は7月15日で、八坂祭り。昔から「板井の天神様」として近在に知られ、太鼓の「ヒハリバタシ」を載ゼた屋台か「みこし」とともに板井区内を一巡する。

境内には氷川神社の他、八坂神社・龍田神社・稲荷神社・天満神社・神明神社・山神社・富土浅間神社などか合祀されている。

なお、式内社「出雲乃伊波比神社」の論社は他に、寄居町赤浜に鎮座する同名神社がある。

また、『延喜式』神名帳武蔵国入間郡にはよく似た出雲伊波比神社が記載され、横見郡には伊波比神社もある。

【ご利益】
病気平癒、厄災除け、武運長久・勝運
出雲乃伊波比神社 埼玉県熊谷市板井
【関連記事】
埼玉県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、埼玉県に鎮座している神社の一覧