式内社、後に諏訪と牛頭天王を合祀、諏訪神社として現在も定着
[住所]東京都青梅市根ヶ布1-316
[電話]0428-23-1718

虎柏神社(とらかしわじんじゃ)は、東京都青梅市根ヶ布にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 多磨郡「虎柏神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創建時期は不詳であるが、第10代崇神天皇の御代に神戸を寄進されたと伝えられる。この点は、市内沢井に鎮座する青渭神社とも共通している。現在は正殿として、大歳御祖神惶根神を祀る。

平安時代の天慶3年(940年)に六孫王源経基が諏訪大社より諏訪上下神を勧請した。現在は東相殿として、建御名方命・八坂刀売命を祀る。

戦国時代の永正年間(1504年-1521年)、勝沼城主である三田氏宗により再興されたと伝えられる。

安土桃山時代の天正16年(1588年)、浅野長政が除疫神(牛頭天王、八雲神社・八坂神社)を勧請した。現在は、西相殿に素盞嗚尊事代主命を祀る。

天正18年(1590年)、正殿に諏訪上下神、東の相殿に虎柏神、西の相殿に除疫神と定め、小曽木郷の総社を号した。

江戸時代は諏訪明神、諏訪宮と称し、今でもお諏訪様と通称される。最寄りバス停の名称は現在でも「諏訪神社」である。

天正19年(1591年)、徳川氏から朱印地3石を下賜され、朱印高は幕末まで変わることはなかった。

明治3年(1870年)、それまで脇殿に祀られていた虎柏神を正殿に遷し、諏訪上下神を東の相殿として、現社号の旧称に復した。明治6年(1873年)、郷社に列した。

現在の本殿は享保19年(1734年)の再建で、三間社切妻造だが、覆殿の中にあって外から見ることはできない。都有形文化財に指定されている。

末社の高峯神社と稲荷神社は諏訪神と同じく源経基が勧請したものであり、稲荷神社は、もとは西の相殿に祀られていたという。他の境内社に、藤原神社がある。

本殿や江戸時代以降に寄進された石造物及び古木の境内林などは、江戸・明治期の旧態を留めて独特な空間を形成している。境域が都の史跡に指定されている。

例祭は8月28日。それに先立ち、8月26日が御殿(おとの)入り祭で、8月27日が椀飯の式・高峯神社祭。当日がお炊き上げと、奉納相撲がある。都指定無形文化財。

なお、式内社「虎柏神社」の論社は他に、調布市の虎狛神社がある。虎狛神社は、狛の字を柏に写し間違えたものと主張する。両社は御祭神を同じくする。

【ご利益】
身体壮健、厄災除け、病魔退散、五穀豊穣
虎柏神社 東京都青梅市根ヶ布
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虎柏神社 東京都青梅市根ヶ布の御朱印