曾枳能夜神社（そきのやじんじゃ、曽枳能夜神社）は、島根県出雲市斐川町神氷にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「曽枳能夜神社（出雲国・出雲郡）」に比定される式内社（小社）。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。御祭神は伎比佐加美高日子命。『古事記』にも記述がみられる社とされる。

第11代垂仁天皇の時代、しゃべることができない皇子の話の中で、この皇子に供御を奉ったという出雲国造の祖、伎比佐都美が当社の御祭神とされる。

当地の豪族であり、祭祀者だったと考えられ、『古事記』の「出雲之石𥑎之曾宮」が当社に該当するとも。

『出雲国風土記』にも「曾伎乃夜社」とある。もとは仏経山の頂に鎮座し、この仏経山である神名火山を御神体としたとも。

江戸時代前期の寛文11年（1671年）、元禄11年（1698年）、江戸時代中期の享保3年（1718年）、延享2年（1745年）、宝暦14年（1763年）、江戸時代後期の安政5年（1858年）に社殿の造営の記録が残る。

明治5年（1872年）、郷社に列した。例祭は10月19日。

明治44年（1911年）4月9日、神氷字宮谷に鎮座していた熊野神社（伊弉冉尊・速玉男神・豫母都事解男神）を合祀した。例祭は遷座の日である4月9日。

この熊野神社は、天正年間（1573年-1593年）に広島甲田城主宍戸隆家が熊野より勧請した社で、修験者（山伏）による「延命長寿、極楽往生」を祈願する道場だったという。

その明治の合祀の際、熊野神社の境内社だった韓国伊大弖奉神社（素戔嗚命・五十猛命）も当社境内に移された。式内社「同社韓国伊太弖神社」である。

『出雲国風土記』には、もう一つの「曾伎乃夜社」があるが、それがこの韓国伊大弖奉神社のことを指すのではないかとされる。例祭は旧暦2月6日。

その他、境内には岩神（神魂伊能知奴志命）、若宮社（土租神）、支比佐社（伎比佐加美長依彦命）がある。

この若宮社が、式内社「同社韓国伊太弖神社」であるという説がある。また、伎比佐神社は、『出雲国風土記』にある「支比佐社」とされる。

境内には他に、出雲大社遥拝の岩盤や、釜神社（かまのかみしゃ・かまかんさん）がある。

【ご利益】
厄災除け、諸願成就、学業・受験合格、病気平癒

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