記紀にない大国主命の娘神で、多伎郷の開発神、「同社」式内を合祀
多伎神社 島根県出雲市多伎町多岐字笠無639
[住所]島根県出雲市多伎町多岐639
[電話]-

多伎神社(たきじんじゃ)は、島根県出雲市多伎町多岐笠無にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「多伎神社(出雲国・神門郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。『出雲国風土記』にある「多吉社」に比定される。御祭神は阿陀加夜努志多伎吉毘売命(多岐喜姫命)。記紀には見えない神。

『出雲国風土記』多伎郷には、「所造天下大神の御子」とある。大国主命を助け、多伎郷の開拓を進めた神だと考えられる。

また、『出雲国風土記』意宇郡の不在官帳に「阿陀加夜社」とあり、現在の阿太加夜神社。当社と同じ御祭神であって、関連が指摘されている。

「多伎」から、多伎都毘売命市寸島毘売命多伎理比売命宗像三女神などとする意見もある。実際、愛媛県今治市古谷甲には当社と同名の神社があり、出雲系と宗像三女神とのつながりがある。

天平年間(729年-749年)から延喜年間(901年-923年)までに当社に合祀された大穴持神社は、もとは若宮原という地に鎮座していたともいう。

『延喜式』神名帳では「同社大穴持神社」と記載され、現在当社では、大己貴命を配祀する。

もともとは字外牛場元宮に鎮座したが、江戸時代中期の延享2年(1745年)、現在地に遷座した。旧地は多岐古社地などとも呼ばれる。

江戸時代には、「多伎駅大明神」「三社大明神」などと呼ばれた。明治5年(1872年)、郷社に列した。例祭は10月15日。

境内社に、稲荷神社・荒神社などがある。なお、町内の口田儀には、やはり式内社の多伎藝神社があり、社名の類似から、関連が指摘される。

【ご利益】
安産、地域・家内安全、縁結び
多伎神社 島根県出雲市多伎町多岐笠無
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