風土記記載・式内の比売神を合祀した式内社、頼朝の八幡政策で衰微
阿利神社 島根県出雲市塩冶町1686
[住所]島根県出雲市塩冶町1686
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阿利神社(ありじんじゃ)は、島根県出雲市塩冶町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「阿利神社(出雲国・神門郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では無格社。

創祀年代は不詳。通称は、阿利の宮、有ノ宮。『出雲国風土記』に「阿利社」とある。

御祭神は阿遅須枳高日子根命。上塩冶町に鎮座する塩冶神社御祭神の父神となる。

由緒も不詳だが、鎌倉時代の建久7年(1196年)、八幡大神を崇敬した源頼朝が、出雲に八所八幡を勧請し、朝山八幡宮に祭事を命じたという。

その結果、当地付近一帯を含む広大な地域が同宮の氏子地域となり、当社の祭祀も断絶、社宇も徐々に荒廃した。

主祭神の他、右相殿に式内社「同社坐加利比売神社」の加利比売命を、左相殿に幸神社の猿田比古命宇豆売命を祀る。

式内社「同社坐加利比売神社」の加利比売命、これらの「加」は「阿」の間違いであり、当社の妃神を祀っているというのが一般的な解釈。

江戸時代には「阿利原森神社」の他、「姫宮大明神」と称していたともいい、「女神」的な要素も強く、加利比売命(阿利比売命)に対する信仰も強かったのだろうか。

当社は明治まで、現社地の北北西800メートルの市民会館北西の地にあり、現在も児童図書館の西北隅には石碑が建立されている。

明治15年(1882年)、吾郷家が私的に祀っていた弾正社(吾郷弾正武利命)境内に遷座。戦後になり、社地を吾郷家より寄進され、弾正社は現在、当社の境内社。

例祭は9月1日。

【ご利益】
地域安全、地域振興、子孫・一族繁栄
阿利神社 島根県出雲市塩冶町
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