『延喜式神名帳』に11社、『出雲国風土記』に39社記載された大社
阿須伎神社 島根県出雲市大社町遙堪1473
[住所]島根県出雲市大社町遙堪1473
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阿須伎神社(あすきじんじゃ)は、島根県出雲市大社町遙堪にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「阿湏伎神社(出雲国・出雲郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。御祭神は阿遲須伎高日子根命で、出雲大社の御子神となる。

『出雲国風土記』にあるに「阿受伎社」に比定される。また、当社にちなむ神社が『出雲国風土記』には実に合計39社記載されている。

仁寿元年(851年)9月に従五位下、貞観7年(865年)10月28日に従五位上、貞観13年(871年)11月10日に正五位下とそれぞれ昇叙。

『延喜式神名帳』にも、当社を本社として、合計11社が記載され、当社だけで式内11社を構成している。本社を除く、他の10社は以下の通り。

・同社神韓国伊太弖神社
・同社天若日子神社
・同社須佐袁神社
・同社神魂意保刀自神社
・同社神阿須伎神社
・同社神伊佐那伎神社
・同社神阿麻能比奈等理神社
・同社神伊佐我神社
・同社阿遅須伎神社
・同社天若日子神社

風土記記載社、式内社はいずれも現在は合祀され、現在、五十猛命天稚彦命素盞鳴命下照姫命猿田彦命伊邪那岐命天夷鳥命・稲背脛命・事代主命天穂日命を配祀する。

およそ合祀式内10社の御祭神と適応するが、猿田彦命は例外か。いずれにしても素盞鳴命と五十猛命、天穂日命と天夷鳥命、伊邪那岐命とそれ以外の大国主命の御子神と娘婿神。

天穂日命と天夷鳥命は、出雲国造家の祖神ではあるが、それ以外は多くが「敗れ去った」神々。

ただし、風土記記載社38社の合祀先については、異説もある。一つは、出雲大社の東西十九社、もう一つは、因佐神社。

平安時代の中期以降、出雲大社の境外摂社になったという。

戦国時代末期の謡曲「大社」では、出雲大社に5人の王子あり、その第一が当社の神で、山王権現であるとされている。

もともとは現在地から約100メートルほど奥の高台に鎮座したが、慶長15年(1610年)の水害によって、現在地に遷座した。

明治期に郷社に列していることから、出雲大社との関係は公的には途切れたと思われるが、現在も摂社に準じる。

例祭は10月10日。お誕生祭とも。御祭神の誕生日の確定は難しいが、何らかの伝承があるのだろうか。

ただし、例祭は資料によっては10月13日。出雲大社の宮司の名代が献幣使として参向する。

旧暦1月7日には御田植神事があり、11月末日に身逃行事、とう練りがある。

境内社に、金刀比羅社・木山社・木野山社・さいの神・社日・水神社・荒神社・稲荷社などがある。

【ご利益】
五穀豊穣、地域振興、地域安全
阿須伎神社 島根県出雲市大社町遙堪
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