亀山に奥宮、順次合祀の3柱を祀る式内井関神社、開帳式や盆供養
井関三神社 兵庫県たつの市揖西町中垣内甲799-1
[住所]兵庫県たつの市揖西町中垣内甲799-1
[電話]0791-66-0402

井関三神社(いせきさんじんじゃ)は、兵庫県たつの市揖西町中垣内甲にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 揖保郡「粒坐天照神社」に比定される式内社(名神大社)の論社。近代社格では郷社。

第10代崇神天皇2年 播磨国揖保郡亀山に勅命により天照国照彦火明櫛玉饒速日命(井関大明神)が奉斎され、天照神社と称される。

創祀当時より武甕槌命が祀られた。これが現在の奥宮にあたる。水争いの伝承が残る亀池があり、弥生時代の高地性集落があったという。

四道将軍が牛頭天王を祀り、飛鳥時代、天武天皇の頃にこれを神宮寺としたという。

南北朝時代の延元2年(1336年)までに、戦乱によって社殿、神宮寺が焼失。貞和5年(1349年)に井関の社殿が再興され、永享12年(1440年)には改築された。

嘉吉元年(1441年)、嘉吉の乱によって、井関、奥宮ともに社殿を焼失するも、後に再興された。

弘治元年(1555年)、中垣内村の大庄屋・八瀬氏によって、その氏神である瀬織津姫命(八瀬大明神)が山城国八瀬郷より勧請、合祀された。

京都市左京区八瀬では現在、八瀬天満宮の境内社である六所神社において瀬織津姫命が祀られている。

江戸時代になり、寛文12年(1672年)、龍野城主脇坂安政が入部の際、龍野城の乾(戌亥・北西)の天門の鎮めとして、前任地の信濃国飯田に鎮座する氏神の諏訪神社より、建御名方命(諏訪大明神)を勧請して合祀した。

天照国照彦火明櫛玉饒速日命、瀬織津姫命、建御名方命の3柱をもって井関三神社と称し、井関三社大明神とも。

江戸時代を通じて、龍野藩主京極氏・脇坂氏歴代、龍野藩士、中垣内川・古子川流域13ヶ村の氏神として崇敬篤く、数々の寄進がなされた。

明治15年(1882年)に郷社に列し、明治45年(1912年)に神饌幣帛料供進社に指定された。

例祭は10月10日。10年ごとに執行される式年祭として、開帳式がある。神宮寺創建当時、白鳳時代の三尊仏を開帳する。

また、毎年8月14日に境内で、翌15日に中垣内恩徳寺境内で、播磨の奇祭「さいれん坊主」が執行される。

嘉吉の乱により城山城落城の際に討ち死にした赤松一族の霊を弔う盆供養で、現在は市の無形文化財に指定されている。

境内末社に、荒神社(須盞之男命)、稲荷神社(宇気持神)、天満神社(菅原道真)、金刀比羅宮(大物主命・崇徳院)がある。

扁額には、天照神社とあるが、その裏に式内井関神社とある。播磨国式内社に井関神社はなく、「粒坐天照神社」の論社とされる。

式内社「粒坐天照神社」の論社は他に、たつの市龍野町の粒坐天照神社、同市神岡町の梛八幡神社、同市揖西町の中臣印達神社の境内社、姫路市林田町の梛神社多賀八幡神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、病気平癒、厄災除け、武運長久・勝運
井関三神社 兵庫県たつの市揖西町中垣内甲
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