阿知賀の氏神「くずがみさん」、古来からの宮座、式内名神大社か?
國栖神社 奈良県吉野郡下市町大字阿知賀字西中村
[住所]奈良県吉野郡下市町大字阿知賀字西中村
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國栖神社(くずじんじゃ、國栖神神社)は、奈良県吉野郡下市町阿知賀西中村にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「気吹雷響雷吉野大国栖御魂神社二座(大和国・高市郡)」に比定される式内社(名神大社・月次新嘗)の論社。

阿知賀より、岡に通じる道路の南西に鎮座する。現地では、「くずがみさん」と親しまれている。

御祭神は不詳だが、奈良に多い水神である九頭竜王や、土蜘蛛を連想させる。もちろん、国栖といえば、吉野の国栖奏で、関連があるのだろうか。

当地の開拓の祖神を奉祀したものとも、またある年の大洪水に吉野川上流の国栖村より漂着し、これを奉祀したものであるともいう。

当社は現在、八幡神社の摂社となっており、八幡神社とともに阿知賀の8ヶ村の氏神として崇敬されている。

記録上は、安土桃山時代の文禄4年(1595年)にその存在は確認できるので、創祀は当然それより古い。

宮座として国栖神座(くずかみざ)、あるいは七軒座とも称し、七軒が残る。八幡神社とともに昔ながらの儀式により祭典を厳行している。

例祭は八幡神社と同じく9月1日であったが、明治43年(1910年)より、八幡神社と同じく10月15日に変更された。

本殿に向って右に、神武天皇遥拝所がある。境内の南東隅に、カヤの古木を御神体とした「白伯大明神」がある。

式内名神「気吹雷響雷吉野大国栖御魂神社」はすでに廃絶したともされるが、当社をこれに比定する説がある。

その他、高市郡明日香村阪田の葛神社、現在の加夜奈留美命神社の境内社である葛神社などが候補として挙がる場合がある。

【ご利益】
地域安全、一族・子孫繁栄
國栖神社 奈良県吉野郡下市町阿知賀西中村
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