式内名神大社「角避比古神社」後継論社、7月に浜名湖渡御の祇園祭
[住所]静岡県浜松市北区細江町気賀996
[電話]053-522-1857

細江神社(ほそえじんじゃ)は、静岡県浜松市北区細江町気賀にある神社。『延喜式神名帳』にある「角避比古神社(遠江国・浜名郡)」に比定される式内社(名神大社)の後継社の論社。

近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

戦国時代の明応7年(1498年)、大地震による大津波で、浜名湖口に鎮座していた式内名神大社「角避比古神社」が流失し、村櫛へ漂着した。

一時期、その地で仮宮で奉祭されていたが、再度の地震・津波により、当社の東南300メートルの赤池に漂着し、当社で併せて祀られるようになったという。

創建は、一説に永正7年(1510年)、また天正12年(1584年)12月とも。

御祭神は、建速素盞嗚尊奇稲田姫尊で、近世を通じて牛頭天王を祀った。通称は、気賀のお天王さま。素戔嗚尊奉祀神社「全国清々会」にも加盟している。

現在は地震厄除の神として知られ、7月第3日曜日は御神体が浜名湖上を船で渡る祇園祭りがある。

細江神社祇園祭は、1日目、当社から神輿と「出引き」という飾り屋台が、御神体が漂着した赤池様に行く。

そこで神事を行った後、そろいの浴衣姿の青年らが町内を練り歩きながら当社に戻る。

2日目、御神体は「神輿舟」に乗せられ、出引きを乗せた船を数隻伴って、奥浜名湖を優雅に渡る。

西気賀までの約4キロの湖上を渡御し、その後は出引きの提灯をともし、お囃子をはやしながら、当社までゆっくりと戻ってくる。

なお、当社は引佐郡の式内小社「大敏神社」の論社でもあるが、あまり有力視はされていない(大敏神社の「敏」は、「母」の部分が「E」)。

式内名神大社「角避比古神社」の後継社の論社としては他に、湖西市新居町の湊神社諏訪神社、浜松市古人見町の若御子神社がある。

昭和になって、当社も含め、角避比古神(角避比古命)の合祀が神社本庁に認められたのは、若御子神社のみだという。

【ご利益】
地震・災害除け、厄災除け、病魔退散
細江神社 静岡県浜松市北区細江町気賀
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