コロク、荒海に面して鳥居がある海神の宮、周囲には琴の大イチョウ
[住所]長崎県対馬市上対馬町琴1
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胡簶神社(ころくじんじゃ、胡禄神社、コロク神社)は、長崎県対馬市上対馬町琴にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 対馬国 上県郡「和多都美御子神社」に比定される式内社(名神大社)の論社。

また、同郡の式内社「胡簶御子神社」「胡簶神社」(いずれも小社)の論社でもある。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。「胡簶」と書いて「ころく」と読むが、「やなぐい」とも「しこ」とも。

「やなぐひ」は矢を入れて腰につける道具。上代では矢を入れる道具に靫(ゆき)とヤナグヒとがあった。

靫は矢全部を収め背負うのに対して、ヤナグヒは矢じりを収めるだけ。これによればヤナグヒは「矢の杭」とも。

当社は琴村の琴崎海岸にあり、荒海に臨んでいる。琴村では、このヤナグヒを当社に収め、海が荒れるたびに矢が飛び出して龍神を鎮めて下さいと祈った、という。

また、当初は龍神を征するため、後には「神体幣四本」とあるように献上品の意味となった、とも。

鳥居扁額には「琴崎大明神」とあり、『對州神社誌』にも琴崎大明神と記されている。

御祭神は、表津少童命中津少童命底津少童命・太田命。ただし、『大小神社帳』では宇都志日金折命豊玉彦命

当社の伝承として、神功皇后の三韓征伐の時、当社沖に停泊していたが、碇が海底に沈んだため、安曇磯良が潜って引き上げたという。

大海原に面して鳥居があり、当社と海との関係の深さを物語る。これが式内社「和多都美御子神社」の論社の根拠になっているという。

境内社に、寄神と山元しこ島大明神があり、この山元しこ島大明神が式内社「胡簶神社」の論社。現在は本社に合祀され、当社は明治になり、現社号に改めた。

当社参拝は、軽いトレッキングになるため、事前の準備・装備、健康状態の確認、他と連絡が取れる状態にしておくことが必要。

当社周辺には、樹齢1500年といわれる日本最古の銀杏とされ、県指定天然記念物である琴の大イチョウや、天然の砂浜である茂木浜海水浴場がある。

式内社「和多都美御子神社」の論社は他に、豊玉町仁位桜町の和多都美御子神社、豊玉町仁位和宮の和多都美神社、峰町木坂の海神神社がある。

また、式内社「胡簶御子神社」は他に、琴の胡簶御子神社、上対馬町芦見の能理刀神社、海神神社がある。

式内社「胡簶神社」の論社は他に、海神神社、胡簶御子神社がある。

【ご利益】
水難除け、海上安全、大漁満足
胡禄神社 長崎県対馬市上対馬町琴
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