室町期に熊野を勧請、江戸初期に白山信仰? 10月にどぶろく祭り
中野白山神社 静岡県磐田市豊浜中野743
[住所]静岡県磐田市豊浜中野743
[電話]-

中野白山神社(なかのはくさんじんじゃ)は、静岡県磐田市豊浜中野にある神社。御朱印の有無は不明。

豊浜中野(とよはまなかの)地区の氏神。『静岡県磐田郡誌』によれば、御祭神は菊理姫命

同書によれば、室町時代の寛正2年(1462年)、紀伊国熊野山本宮を勧請して創建したという。

当社の社宝である御正体について、熊野本宮の本地仏である阿弥陀如来が浮き彫りにされ、『福田町史』にその銘文が掲載されている。

それによれば、苫野(鳥羽野・旧浅羽町の太田川左岸地域の旧地名)の中村天用寺の住職である比丘寛谿叟(びくかんこくそう)が、熊野山の本宮と新宮に参詣し、湯立てをしてこの御正体を頂いた、という。

延宝5年(1677年)と元禄14年(1701年)に修繕、安政元年(1855年)11月4日、地震により大破したため、翌年修繕したという。

例祭は10月2日。現在は10月第1日曜日。通称「白酒(どぶろく)祭り」。市の無形民俗文化財に指定されている。

一説には江戸時代の初め頃、疫病が流行った時に、白山を信仰してどぶろく(濁酒)を献じ祈願せよ、と白山に宗教者に告げられ、悪疫を退散させたと言い伝えられている。

詳細は不明だが、菊理姫命を熊野から勧請というのもおかしな話で、この際、熊野信仰から白山信仰に切り替わり、社名や御祭神の変更があった可能性がある。

また、このどぶろく作りを中断したところ、その年に伝染病が流行し、多くの人が苦しんだという。このため、どぶろく作りが再開されたという。

この種の説話は、愛知県大府市の長草天神社にも伝わる。

当日は、境内に集まった参拝者に投餅を行う他、供えられたどぶろくや甘酒がふるまわれる。いわゆるどぶろく祭り

また、当社に納められている「絹本着色釈迦十六善神画像」は、釈迦をはじめ、文殊・文賢菩薩・玄奘三蔵法師、深沙大将などが描かれている。鎌倉時代後期の作。当社創建に先立つ。

【ご利益】
五穀豊穣、地域安全、事業成功、酒造
中野白山神社 静岡県磐田市豊浜中野
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