2月25日直前の日曜日の例祭がどぶろく祭り、室町期から続く伝統
[住所]愛知県大府市長草町本郷44
[電話]0562-48-5456

長草天神社(ながくさてんじんしゃ)は、愛知県大府市長草町本郷にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

知多郡英比ノ荘の地頭だった藤田民部は、室町時代の明応3年(1494年)、家人たちに長草の地の開墾を命じた。

同時に民部の邸内に祀られていた菅原道真を、同年6月19日に産土神として迎えたのが起源。

道真を祀る天神・天満宮の一つで、明治5年(1872年)に村社に列し、明治40年(1907年)10月20日、神饌幣帛供進神社に指定された。

例祭は、創建された明応3年から明治43年(1910年)まで、旧正月25日に行われていたが、現在は2月25日の直前の日曜日に行われる。いわゆるどぶろく祭り。

創建時、民部が寄進した供田一反歩(約990mメートル)の収穫米でどぶろくを醸造して神前に供え、その後例祭で御神酒を氏子や参拝客に振舞ったのが始まり。

寛文5年(1665年)に時勢に従い醸造を休止したが、その後の3年間、村内で伝染病や悪疫が流行した。

このことはどぶろくの醸造を止めたためとして、寛文8年(1668年)、当時の地頭名府士官、市村伝兵衛尉勝行の主唱によってどぶろくの醸造が再開された。

以来いかなる凶作・飢饉であっても継続され現在に至っている。この種の説話は、静岡県磐田市の中野白山神社にも伝わる。

どぶろくの醸造は、長草地区で6組に分かれている酒元組がどぶろくの醸造を輪番して、境内の酒造所で1月上旬から醸造が行われる。

例祭の当日は、午前中に神前での式典が行われ、式典が終わると神官や役員が飲酒し、続いて氏子の接待となる。

午後に一般の参拝客にも振る舞われる。いわゆるどぶろく祭り。梅花盃を買い求めなければならない。福と徳を授けると言われる酒好きの猩猩も登場する。15時には投げ餅も行われる。

17時ごろ、翌年当番の組にどぶろく作りの道具が引き渡される「トウワタシ」の儀式が行われ、例祭は終了する。

現在は、市指定有形民俗文化財となっているこの祭礼において、車でも行けるが、車だとどぶろくが飲めないので、JR共和駅西口から無料シャトルバスが運行されている。

【ご利益】
学業・受験合格、五穀豊穣、事業成功、酒造
長草天神社 愛知県大府市長草町本郷
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