日本の酒造発祥地の一つ、10月13日例祭は醸造のどぶろくの濁酒祭
[住所]島根県出雲市小境町110
[電話]0853-67-0007

佐香神社(さかじんじゃ)は、島根県出雲市小境町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「佐香神社(出雲国・楯縫郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

別名は松尾神社。酒造の神として酒造業者からの信仰を集めている。『出雲国風土記』楯縫郡の条の在神祇官社「佐加社」に比定される。

創建は不詳。主祭神は久斯神(くすのかみ)と大山咋命天津彦彦火瓊瓊杵命木花咲耶比売命・百八十神(ももやそがみ)を配祀する。

久斯神は薬の神かつ酒の神で、少彦名神の別名とも。『古事記』では、神功皇后が酒宴で少彦名神を酒造の神として歌い込んでいる(『古事記』該当部分)。

大山咋命は京都の松尾大社からの勧請。また配神である木花咲耶比売命も酒造に関係のある神。

『出雲国風土記』楯縫郡の条の佐香郷に、川の中州で180柱もの神が集まって御厨を建てて酒を造り、180日もの間宴会をしたあと解散したという説話が記載されている。

配神の百八十神はこれを意識したもの。どちらにしろ、当社こそが日本の酒造発祥地とされる場合がある。

享保2年(1717年)の地誌『雲陽誌』の小境村の項に「松尾明神」とあり、それによれば、明応9年(1500年)の棟札があるという。室町時代には松尾大社を勧請していたことが分かる。

江戸時代に入っても松江藩主を初め、近隣の出雲杜氏たちの崇敬を集めた。明治に入り、現社号に復称したが、現在も通称の松尾神社が併用されている。

例大祭は10月13日。濁酒祭(どぶろくまつり・どぶろく祭り)とも呼ばれ、室町時代から続いているとされる。

10月1日未明に宮司自ら杜氏となって神酒の醸造を行い、祭礼の前日に国税庁の係員の検査を受ける。

当日には酒造業者たちが集まり、安全を祈願する奉納祭が執り行われる。

ちなみに当社では財務省より、祭礼のために毎年1石(180リットル)以下までのどぶろくの醸造の許可を得ている。

境内社には、稲荷神社の他、種痘神社・宝殿神社・武内神社・疫神社がある。

なお、式内社「佐香神社」の論社は他に、市内坂浦町の鞆前神社がある。

【ご利益】
酒造・薬業、産業振興、事業発展、病気平癒
佐香神社 島根県出雲市小境町
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佐香神社 島根県出雲市小境町の御朱印