2柱の妹神を祀る妹の宮、大己貴命を供応した由緒あるどぶろく造り
[住所]石川県鹿島郡中能登町能登部下125甲29
[電話]0767-72-3464

能登比咩神社(のとひめじんじゃ)は、石川県鹿島郡中能登町能登部下にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「能登比咩神社(能登国・能登郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

御祭神は、能登比咩神と、第10代崇神天皇の皇女である沼名木入比売命

神代、大己貴命少彦名命が越の八国を平定して当地に至った際、国つ神を求めたところ、女神に機織乙女がいた。これが能登比咩神。

2神は、能登比咩神の仕事場と思われる機殿に来て、能登比咩神に稗粥と、どぶろくの供応を受けたという。

大己貴命は姫を大層気に入り、「わが苗裔たれ」と命じたという。

機織女には諸説あるが、総じて一夜妻の性質がある。能登比咩神も大己貴命の一夜妻であり、その子をなしたのかもしれない。

能登比咩神の兄が能登比神であり、やはり大己貴命に「わが苗裔たれ」と命じられた、能登部神社の御祭神。

能登部神社は、上の宮あるいは兄宮と呼ばれるため、当社は当然下の宮あるいは妹宮と呼ばれたと考えられる。

なお、能登比咩神には機棹を海中に投げ、島を作ったという伝承がある。この島を能登比咩織島あるいは機貝島と呼び、羽咋郡富来沖にあるという。

仕事道具の投擲、女神なのに怪力など、興味深い説話だ。

能登比咩神が妹であるならば、沼名木入比売命も妹。兄の大入杵命とともに、当地に下向し、能登比咩神の遺業を興し、郷里の婦女に機織業を教えたという。

能登麻織物の祖神と称えられたという。当社の社殿後方の丘上が沼名木入比売命の墓と伝えられている。姫塚(御陵山)と呼ばれる円墳である。

兄の大入杵令は、能登比咩神の兄である能登比神とともに、能登部神社に祀られ、その墓も近くにある。

現在は、天照大神虚空津比売命猿田彦大神建御名方神倉稻魂命菅原道真素戔嗚尊日本武尊・少名彦命も合祀している。

能登部神社と、天日陰比咩神社とともに、どぶろくの醸造許可を得ている、石川県の神社の三社のうちの一つである。いずれも中能登町に所在する。

当社の場合は、御祭神が大己貴命・少彦名命にどぶろくで供応したという明確な伝承を残しているのが特徴。

毎年11月上旬に仕込みが始まり、11月中旬には国税局の検定が入り、正月前後が飲み頃となる。

この期間の祭事には氏子にどぶろくが振舞われる。天日陰比咩神社・能登部神社とは違い、特段どぶろく祭りと呼ばれるものはないらしい。

【ご利益】
良縁・縁結び、子宝・安産、アパレル業、酒造
能登比咩神社 石川県鹿島郡中能登町能登部下
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能登比咩神社 石川県鹿島郡中能登町能登部下の御朱印