安房に逃れた頼朝が宿泊した小鷹明神、式内社を合祀した式内社
[住所]千葉県南房総市白浜町滝口1728
[電話]0470-38-4130

下立松原神社(しもたてまつばらじんじゃ)は、千葉県南房総市白浜町滝口にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 安房国 朝夷郡「下立松原神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

天富命とともに安房に渡り当地を開拓した天日鷲命の孫の由布津主命が、初代神武天皇元年に天日鷲命を祀ったのに始まる。

現在までに、天日鷲命の他、天太玉命・天富命・伊弉諾命伊弉冉命を主祭神とし、阿八別彦命・須佐之男命を配祀する。

天富命らが安房に上陸した時、当地には鹿が多く住民が困っていたので鹿狩りをしたという伝承がある。大鹿の角が社宝として伝わっている。

それにちなんで旧暦11月26日から10日間、神事として神狩祭が現在も行われている。

宮司は高山家で、安房忌部家の古い系図によると、由布津主以来80代を数えるという。

『義経記』には、石橋山の合戦に敗れた源頼朝は、安房に逃げのびたが、まず洲崎神社に参拝した後、瀧口大明神と称した当社で一夜を明かしたとある。

古来武将の尊崇が厚く、源頼朝、里見義実などが太刀を奉納し、武運長久を祈願したという。

江戸時代には「小鷹明神」「瀧口明神」と称した。現在も小鷹明神として地域住民に親しまれている。

拝殿の右側に天御中主命を祀る天神社がある。『延喜式神名帳』安房国朝夷郡にある「天神社(あまのかみのやしろ)」に比定される式内社。昭和3年(1928年)に当社に合祀された。

もとの天神社の社殿は当社境内に移築され神輿殿として使われていたが、後に神輿殿が別に作られ、改めて天神社社殿とした。

現在は、近隣の神社を合祀して、住吉大神、高倉彦命、大麻産靈命、高雷命・闇雷命、高皇産靈神神皇産靈神倭健命、柿本人丸、高靇命闇靇命天忍日命天照皇大神、磯根御気姫命、衣通比売命、木花開耶姫命金山彦命菅原道真を祀る。

9月の敬老の日の前の土曜・日曜日に行われる鶴谷八幡宮で行われる祭礼「やわたんまち」、安房国司祭に当社の神輿が出祭する。例祭は8月2日で、山車が氏子地域を巡行する。

境内社に、招魂社・鹿倉三社がある。

なお、式内社「下立松原神社」の論社は他に、市内千倉町牧田に同名の神社があり、かつては激しい比定論争が行われたが、双方証拠に欠け、結果は出ていない。

両社を区別するため、当社は特に白浜下立松原神社とも呼ばれる。

【ご利益】
五穀豊穣、地域安全、地域振興
下立松原神社 千葉県南房総市白浜町滝口
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