奈良時代から伝わる神酒醸造神事と、江戸期からの猿田彦の舞神事
[住所]千葉県南房総市沓見241
[電話]0470-46-2362
莫越山神社(なこしやまじんじゃ)は、千葉県南房総市沓見にある神社。『延喜式神名帳』にある「莫越山神社(安房国・朝夷郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。
社記によれば、初代神武天皇元年、天富命が忌部の諸氏を率いて、安房国に来臨し、東方開拓を進めた時、随神の天小民命が祖神である忌部の神、手置帆負命・彦狭知命を祀ったのが創祀。
大化の制においては国司の祭祀に預かったとされ、『延喜式神名帳』を経て、鎌倉時代初期の治承年間(1177年-1181年)に源頼朝が祈願、神田20町を寄進したという。
戦国時代、里見氏が領主の際も3石の寄進があり、江戸時代以降も3石の寄進があったという。代々領主の祈願所だった。
享保9年(1724年)、社殿造営の時に新宮に山中4ヶ所に祀られていた彦火火出見尊・豊玉姫命・鸕鷀草葺不合尊を合祭し、天保年間(1831年-1845年)に相殿とした。
彦火火出見尊は梅大御神、豊玉姫命は子安大神、鸕鷀草葺不合尊は間子大御神と称され、敷物の祖神・安産育児の神・海猟海上安全の神として崇敬された。
明治6年(1873年)に郷社に列し、明治25年(1892年)12月、小松大将宮彰仁親王から社号額字の真筆が下賜され、現在拝殿正面に奉掲されている。
9月14日・15日に館山市の鶴谷八幡宮で行われる祭礼「やわたんまち」、安房国司祭に当社の神輿が出祭する。
その際に神輿の担ぎ手に振る舞う神酒が当社で醸造される。奈良時代にまでさかのぼる神事で、かつては濁酒だったが、現在は清酒。
現在、神社での清酒御神酒造りは、伊勢の神宮(伊勢神宮)・出雲大社・岡崎八幡宮と同社の全国でも4カ所のみとされる。
江戸時代中期から奉納されたいわれる奏楽・猿田彦の舞神事は、7月9日の例祭と11月23日の新嘗祭に奉納される。
「猿田彦の舞」は古式豊かで幽雅さの中にも力強さのある舞で、鉾の舞・麻の舞・剣の舞の三部からなる。
以上の神酒醸造神事と奏楽・猿田彦の舞神事は、いずれも市の文化財に指定されている。
現在は、天照皇大御神・誉田別尊も合祀されている。また、境内社に若宮神社がある。
なお、式内社「莫越山神社」の論社は他に、当社の北方、宮下に同名の神社があり、区別するため、当社を特に沓見莫越山神社と呼ぶ場合がある。
【ご利益】
建築・建設業、事業成功、海上安全、安産・子育て

【関連記事】
・安房国司祭やわたんまちとは? - 9月の敬老の日の前の土曜・日曜日、10社の神輿が乱舞
・千葉県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、千葉県に鎮座している神社の一覧
[電話]0470-46-2362
莫越山神社(なこしやまじんじゃ)は、千葉県南房総市沓見にある神社。『延喜式神名帳』にある「莫越山神社(安房国・朝夷郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。
社記によれば、初代神武天皇元年、天富命が忌部の諸氏を率いて、安房国に来臨し、東方開拓を進めた時、随神の天小民命が祖神である忌部の神、手置帆負命・彦狭知命を祀ったのが創祀。
大化の制においては国司の祭祀に預かったとされ、『延喜式神名帳』を経て、鎌倉時代初期の治承年間(1177年-1181年)に源頼朝が祈願、神田20町を寄進したという。
戦国時代、里見氏が領主の際も3石の寄進があり、江戸時代以降も3石の寄進があったという。代々領主の祈願所だった。
享保9年(1724年)、社殿造営の時に新宮に山中4ヶ所に祀られていた彦火火出見尊・豊玉姫命・鸕鷀草葺不合尊を合祭し、天保年間(1831年-1845年)に相殿とした。
彦火火出見尊は梅大御神、豊玉姫命は子安大神、鸕鷀草葺不合尊は間子大御神と称され、敷物の祖神・安産育児の神・海猟海上安全の神として崇敬された。
明治6年(1873年)に郷社に列し、明治25年(1892年)12月、小松大将宮彰仁親王から社号額字の真筆が下賜され、現在拝殿正面に奉掲されている。
9月14日・15日に館山市の鶴谷八幡宮で行われる祭礼「やわたんまち」、安房国司祭に当社の神輿が出祭する。
その際に神輿の担ぎ手に振る舞う神酒が当社で醸造される。奈良時代にまでさかのぼる神事で、かつては濁酒だったが、現在は清酒。
現在、神社での清酒御神酒造りは、伊勢の神宮(伊勢神宮)・出雲大社・岡崎八幡宮と同社の全国でも4カ所のみとされる。
江戸時代中期から奉納されたいわれる奏楽・猿田彦の舞神事は、7月9日の例祭と11月23日の新嘗祭に奉納される。
「猿田彦の舞」は古式豊かで幽雅さの中にも力強さのある舞で、鉾の舞・麻の舞・剣の舞の三部からなる。
以上の神酒醸造神事と奏楽・猿田彦の舞神事は、いずれも市の文化財に指定されている。
現在は、天照皇大御神・誉田別尊も合祀されている。また、境内社に若宮神社がある。
なお、式内社「莫越山神社」の論社は他に、当社の北方、宮下に同名の神社があり、区別するため、当社を特に沓見莫越山神社と呼ぶ場合がある。
【ご利益】
建築・建設業、事業成功、海上安全、安産・子育て

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