三社一棟の本殿、それぞれが式内論社、イスノキやクスノキ
八幡宮(静岡県下田市吉佐美1722-1)
[住所]静岡県下田市吉佐美1722-1
[電話]0558-22-1531

八幡宮(はちまんぐう)は、静岡県下田市吉佐美にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「加弥命神社/加彌命神社(伊豆国・賀茂郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

吉佐美八幡神社、単に八幡神社とも。相模湾に注ぐ大賀茂川右岸、河口から800メートルほど遡ったところに鎮座する。

創建や由緒は不詳。当社の本殿は三社一棟の構成であり、右殿に八幡神(誉田別命)、左殿に若宮八幡神、その後方中央に相殿神がそれぞれ奉斎されている。

式内社「加弥命神社」への比定は、一般的に根拠が薄弱なものとされる。

式内社「加弥命神社」の論社は他に、東京都三宅村の御笏神社に合祀された二宮神社、同じく三宅村の二宮神社に合祀された伊波乃比咩命神社がある。

明治11年(1878年)11月、字深田に鎮座していた三島神社を合祀した。この三島神社が、式内社「竹麻神社」の三座の中の一座とされている。

御祭神は阿波咩命で、現在は当社の後方中央の相殿に祀られている。

式内社「竹麻神社」の論社は他に、南伊豆町の月間神社、同じく若宮神社、三島神社、下田市高馬の八幡社、下田市本郷の浅間神社、下田市柿崎の三嶋神社に合祀された武峰神社がある。

左殿の若宮は、式内社「多祁美加々命神社」の論社とされる。御祭神は不明な点も多いが、興津彦命興津姫命とする指摘もある。

式内社「多祁美加々命神社」の論社は他に、東京都新島村の大三王子神社がある。

境内には、樹高15メートル、目通り幹囲3.9メートル、樹齢300年以上とされるイスノキがある。イスノキはマンサク科に属する常緑高木。暖かい地に自生し、当社地がその北限にあたる。

「八幡神社のイスノキ」として、国の天然記念物に指定されている。ちなみに、イスノキとしては唯一の国指定天然記念物である。

また、このイスノキとほぼ同じ樹齢で、樹高20メートル、目通り幹囲5.5メートルと一回り大きいクスノキもある。こちらは未指定。

【ご利益】
厄災除け、リフレッシュ
八幡宮(下田市吉佐美) - 三社一棟の本殿、それぞれが式内論社、イスノキやクスノキ
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