奈良期・呰麻呂の乱で創建、その際植えれた翁スギ媼スギが現存
[住所]福島県田村郡小野町夏井町屋33
[電話]0247-72-5566

諏訪神社(すわじんじゃ)は、福島県田村郡小野町夏井にある神社。近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

小野町の春の絶景「夏井川千本桜」の名で知られる夏井地区に鎮座する。

奈良時代の宝亀年間(770年-781年)、当時蝦夷と呼ばれていた東北地方の伊治村の城主伊治砦麻呂が反逆し、国司紀広純を殺害した。

宝亀の乱、あるいは伊治呰麻呂の乱と呼ばれるもので、この後、砦麻呂は、多賀城にも侵入して、略奪行為を働き、焼き払って去ったという。

ただちに中央政府は中納言藤原継縄、次いで参議藤原小黒麻呂を征東大使に任命して征討軍を出動させたが、苦戦を強いられたようだ。

藤原継縄がこの地に陣を敷き、社壇を築き、スギを植え、勝敵の祈願を行ったのが当社の創祀だという。

史実として、この後の呰麻呂の動静については、史料に記載なく不明だが、戦勝した藤原継縄が社殿を造営したと当社では伝える。

御祭神は、武御名方命下照比売命。諏訪神としては珍しい取り合わせだが、2柱は異母兄妹(姉と弟かもしれないが)なので、全くの無関係ではない。

創祀の際に、藤原継縄が植えたとされるスギが現存する。参道をはさんで立つ夫婦スギで、社殿に向かって左が媼(ばば)スギ、右が翁(じじ)スギ。

あるいは、翁杉・媼杉や、おきな・おうな杉などとも呼ばれる。推定樹齢は約1200年。特段の損傷もなく、均等な成長を遂げているのは全国的にも珍しいとされる。

現在は、「諏訪神社の翁スギ媼スギ」として、国の天然記念物に指定されている。

本殿は一間社流造で、中備蟇股、組物出三斗。江戸時代前期の寛文5年(1665年)、再建されたものだという。町の重要文化財に指定されている。

【ご利益】
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諏訪神社(小野町) - 奈良期・呰麻呂の乱で創建、その際植えれた翁スギ媼スギが現存
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