河津町、12月に鳥精進酒精進があるキノミヤの社、樹齢1000年の大クス
[住所]静岡県賀茂郡河津町田中154
[電話]0558-32-0800

杉桙別命神社(すぎほこわけのみことじんじゃ)は、静岡県賀茂郡河津町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「杉桙別命神社(伊豆国・賀茂郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

古くは、桙別明神・木野明神・来宮明神・木野神社・木之神社・鬼崎明神などと呼ばれており、現在でも河津来宮神社と俗称される。

「来宮」の古社名や後述する「鳥精進酒精進」を伝承することから、キノミヤ信仰を有する神社とされている。

杉桙別命(すぎほこわけのみこと)を主祭神とし、五十猛命少彦名命を相殿に祀る。一説には笹原姫も合祀している。神職は代々川津氏が奉仕してきた。

社伝によると、古代から鎮座していたが、奈良時代の和銅年間(708年-715年)に再建されたという。

また、鎌倉時代の建久4年(1193年)、源頼朝が再建するとともに、社領93石を奉納し、嘉禄2年(1226年)には藤原頼経により社殿が再築された。

南北朝時代の康永2年(1343年)の『伊豆国神階帳』には「従四位上 ほこわけの明神」と記されている。

戦国時代、永正10年(1513年)に足利義植により社殿が再築され、社家12家が奉仕したが、天文7年(1538年)に社殿などをすべて焼失。

天文13年(1544年)には洪水によって社領が流されてからは頽廃して小祠での鎮座となったものを、国守代官清水康英などが再建したという。

現在の本殿は、嘉祥2年(1819年)の造替にかかる、正面側面ともに一間の流造。屋根は銅板葺で千鳥破風、軒唐破風を付ける。

明治6年(1873年)、郷社に列した。戦後は神社本庁に属している。

12月17日が酒留祭、12月24日が酒開祭。この12月18日-23日の間は、飲酒とともに鳥肉、卵を食べることが禁じられる。

河津の鳥精進酒精進と呼ばれ、当地で泥酔した杉桙別命が野火に遭い、焼死寸前になった時、小鳥の大群が羽に付いた水を運び消火したおかげで一命を取り留めたことにちなむ。

この風習は、東伊豆町白田の志理太乎宜神社(来宮神社)にも見られるという。

本殿奥に、樹高約24メートル、幹周14メートルの楠がある。樹齢1000年以上と推定され、古くより来宮様の大クスと呼ばれ、御神木として崇められてきた。

かつて河津には7本の大楠があり、明治時代中頃まで河津郷七抱七楠と呼ばれていたが、現存しているのはこの1本だけ。「杉桙別命神社の大クス」として、国の天然記念物に指定されている。

また、参道入口付近と、拝殿右前にも楠の大木がある。

境内社に、道祖神社・宇賀神社・稲荷神社・天神社・水神社・熊野神社・小島神社・歳之神社・火産帰神社・大楠神社・塞神社・山神社・大那行都佐神社がある。

なお、式内社「杉桙別命神社」の論社は他に、伊豆市八幡の来宮神社がある。

また、当社は式内社「佐々原比咩命神社」に比定される同町内に鎮座する姫宮神社を所管している。

【ご利益】
木の神、火防、禁酒禁煙、リフレッシュ
杉桙別命神社 - 河津町、12月に鳥精進酒精進があるキノミヤの社、樹齢1000年の大クス
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