島津家初代忠久が再興とも創建とも、田の神舞と山田楽が伝わる
熊野神社(鹿児島県出水市野田町下名5930)
[住所]鹿児島県出水市野田町下名5930
[電話]0996-84-2026

熊野神社(くまのじんじゃ)は、鹿児島県出水市野田町下名にある神社。近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。しかし、往古より野田村の総社であり、島津家初代島津忠久(?-1227年)が出水木牟礼に居城していた際、再興したという。あるいは創建とも。

島津家19代当主で薩摩藩2代藩主島津光久(1616年-1695年)、20代当主で3代藩主島津綱貴(1650年-1704年)の代にも再興されたという。

野田町が「山門院」と称されていた時には大社であったという。

下名中郡集落にあって村の鎮守の社である。御祭神は紀州の熊野権現と同じく、伊邪那美命・速玉男命・泉津事解男命。

三社大権現とも称され、旧出水郡三郷社の一つ。明治6年(1873年)に郷社に列した。

例祭はもとは旧暦9月9日だが、現在は11月9日で、村では往時より方祭を営む習がある。

往時は方祭も盛んで、家々では甘酒・赤飯などを作り、その年の豊作を家族や親類とともに祝ったものだという。近年は廃れている。

県指定民俗文化財の田の神舞と山田楽がある。田の神舞は県内ではよく見られるが、当社のものは群舞であるのが特徴。

山田楽は、江戸時代初期に3代目出水地頭を務めた山田昌厳によって若宮神社に奉納されたもので、若宮神社が廃絶した後、当社に奉納されるようになった。

社前には江戸時代中期の安永7年(1778年)12月と刻まれた石灯籠があり、その前に池と石橋がある。

明治の頃、当時出水郡では珍しかった蓮をこの池に植えたので、当時旧出水郡内の人が珍重して、宮参りと見物人が絶えなかったと伝えている。

石橋と狛犬は若林猪蔵の寄贈によるもので、また昭和になって来仙平太郎が大鳥居を寄贈した。

【ご利益】
夫婦和合、家内安全、五穀豊穣
熊野神社(出水市) - 島津家初代忠久が再興とも創建とも、田の神舞と山田楽が伝わる
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