「出羽高野」と称された式内・岡大権現、江戸期は伽藍9院・末寺6寺
遠賀神社(山形県鶴岡市井岡字和田181-1)
[住所]山形県鶴岡市井岡字和田181-1
[電話]-

遠賀神社(おかじんじゃ)は、山形県鶴岡市井岡にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東山道神 出羽国 田川郡「遠賀神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創建時期は不明。もとは岡山村(現 鶴岡市岡山)の伊波乎井、あるいは岩台というところに鎮座していた。

平安時代の天長2年(825年)、源楽上人が当地に勅願寺として井岡寺または阿伽井坊 遠賀井寺を開山、その鎮守として伊波乎井の大山祇神を勧請したという。

旧鎮座地には神社の遺地と見られる跡があり、また、縄文時代中期から古代までの複合遺跡にもなっていて、石器・土器が出土している。

中世に至り、神仏混淆して、岡大権現と称したという。広大な境内地を有して「出羽高野」と称されたという。

しかし戦国時代の天正年間(1573年-1593年)、兵火にかかり全山が焼失、江戸時代になり、慶長17年(1612年)に最上義光によって再建された。

江戸時代には仏式の伽藍9院、末寺6寺あったが、明治の神仏分離により神社と寺院の境界が分けられ、神社の方は式内社に比定された。

御祭神は、豊受大神・鳴雷神・高靇神和久産巣日神・大山祇神・猿田彦大神。豊岡比売神と表記されるが、伊勢の神宮(伊勢神宮)の豊受大神宮(外宮)御祭神の別名。

明治初期、境内社9社、境外社3社あったが、明治11年(1878年)の火災ですべて焼失し、後に生国神社を残して、すべて本社に合祀された。それらの神々が下記。

天照大神軻遇突智命伊弉諾尊伊弉冉尊大己貴神仲姫命山末之大主神応神天皇玉依毘売命神功皇后武甕槌神経津主神天児屋根命・比売神、菅原道真、吉祥姫中将殿、倉稲魂命素戔嗚尊大市姫神五十猛命、気長足姫命、上筒之男命中筒之男命底筒之男命田心姫命湍津姫命市杵嶋姫命少彦名命大物主神大国魂神菊理姫神

例祭は5月1日。神幸祭が3月3日・4日、風鎮祭が8月23日。

なお、式内社「遠賀神社」の論社は他に、市内の遠賀原外内島にそれぞれ同名の神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、地域振興、地域安全、交通安全
遠賀神社(井岡) - 「出羽高野」と称された式内・岡大権現、江戸期は伽藍9院・末寺6寺
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