出羽三山の月山への登拝「角川口」、奈良時代発見の今神温泉
今熊野神社(山形県最上郡戸沢村角川字長倉)
[住所]山形県最上郡戸沢村角川字長倉
[電話]0233-73-2141

今熊野神社(いまくまのじんじゃ)は、山形県最上郡戸沢村角川にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創建は、奈良時代の神亀元年(724年)であるとされる。

マタギの早坂新九郎が風雪の中を熊を追いかけていった先で、今神温泉の湯煙を発見し、その中に三尊の権現を発見した。

新九郎は、それに感じ入って頭を丸め、磯辺万九郎とともに長倉に「熊野大権現」を建立し、法師となって三尊を祀ったのが始まりであるという。

阿弥陀如来・薬師如来・観世音菩薩の三尊を祀る。医の神、温泉にまつわる神とされる。

阿弥陀如来は、出羽三山月山神社の御祭神である月読命の本地仏。

観世音菩薩は出羽神社の御祭神である伊氐波神の本地仏。

薬師如来はかつては出羽三山の一山とされた葉山の御祭神の本地仏。

角川は、出羽三山の月山へと登拝する登山道「角川口」があったといわれ、当社はその入口にあたる。

当社で道中の無事を祈願してから、4キロ先の今神温泉に向かい、読経をしつつ湯垢離をして精進潔斎し、御池、今熊山、高倉山を巡って月山に到ったという。

今神温泉は「念仏温泉」との異名があり、三尊が安置された浴槽に白衣で入浴し、読経を行うことに特徴がある。

その温泉の入口にはひっそりと御石(今神石)が安置されており、これも崇拝の対象となっている。

角川の広大な山内に、当社にまつわるものが散在している。

当社の社殿の傍らにスギの巨木がある。長倉の大杉と呼ばれる幹周り9.5メートル、高さ42メートルに達する巨木で、樹齢は1200年あまり。

おそらくは当社創建時からあったものと推定され、地元の人々からは御神木として崇められており、県の天然記念物に指定されている。

今熊山は、当社の奥の院とされ、山頂にささやかな祠が安置されている。

【ご利益】
病気平癒、健康長寿、身体壮健
今熊野神社(戸沢村) - 出羽三山の月山への登拝「角川口」、奈良時代発見の今神温泉
【関連記事】
山形県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、山形県に鎮座している神社の一覧