平安期の鳥海山大噴火で創建された式内古社、5月に観音寺祭りで奴振りなど
[住所]山形県酒田市麓字麓山88
[電話]0234-64-3013

飛澤神社(とびさわじんじゃ)は、山形県酒田市麓にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東山道神 出羽国 飽海郡「小物忌神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

平安時代前期の貞観13年(871年)4月8日、鳥海山大噴火に際し、その御神霊を鎮めるために天降堂を創建したのが始まり。

中世に至り、観音寺城主来次氏が代々崇敬し、永禄年間(1558年-1570年)には、楯山と呼ばれる丘陵に観音寺城を築き、慶長2年(1597年)6月、現在地に奉遷、神田を寄進した。

御祭神は豊受姫命稲倉魂命月夜見命の3柱。古くは、観音寺城の守護神として、今では、衣食住をはじめ産業全般と地域振興を守護する神として崇敬されている。

以前は小物忌神社と称していたといい、当社では主祭神の豊受姫命を、伊勢の神宮(伊勢神宮)の豊受大神宮(外宮)と同じ、としている。あるいは保食神とも同神。

しかし、以前は、鳥海山大物忌神社で祀られている大物忌大神と同神とされたこともあったという。式内論社の根拠となったと考えられている。

拝殿は明治12年(1879年)の建立で、大正9年(1920年)に木羽葺屋根を瓦に模様替えしている。

昭和3年(1928年)、創建1060年を記念して、氏子をはじめ多くの崇敬者の協賛金により、本殿屋根を銅板葺き替えに、幣殿玉垣の新築工事が完成した。

平成3年(1991年)に1120年記念事業として、社殿修復・参道整備を竣工させた。

例祭は5月8日。5月1日に神幸祭があり、観音寺祭りと呼ばれている。市条水上の八幡神社と共催で行われる。

江戸時代に大名行列の供先を務めた「奴」の姿に扮した若者たちが、毛槍や挟み箱、棹などを手に町をくねり歩く「奴振り」が有名。

他に、五穀豊饒を祈願する古式ゆかしい「流鏑馬」の行事が行われ、「屋台引き」や「子供神輿」などがある。

なお、7月1日と1月3日に御頭巡幸がある。

式内社「小物忌神社」の論社は他に、酒田市山楯飛島の小物忌神社、鶴岡市馬町の椙尾神社、飽海郡遊佐町の劔龍神社がある。

【ご利益】
火難除け、五穀豊穣、衣食住の守護神、地域振興
飛澤神社 - 平安期の鳥海山大噴火で創建された式内古社、5月に観音寺祭りで奴振りなど
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