鳥海山の登拝口の一つ小滝口、奈曽の白滝とチョウクライロ舞
[住所]秋田県にかほ市象潟町小滝字奈曽沢1
[電話]0184-38-4305

金峰神社(きんぽうじんじゃ)は、秋田県にかほ市象潟町にある神社。通称は蔵王権現。御朱印の有無は不明。

もともとは蔵王権現・鳥海山権現・熊野権現を祀る修験の本拠地で、鳥海山の登拝口の一つ小滝口として、龍山寺が宗坊11坊を支配した。

社伝によれば、飛鳥時代の白鳳9年(680年)、全国に疫病が流行った時、役行者が諸国を廻り、当地に至ると滝があり、これぞ霊地と感じた。

そこで大和国から蔵王権現を勧請し、薬師密法の行を行うと疫病の流行が治まったので、当地に蔵王堂を建てたのが創始とされる。

「手長・足長」という悪鬼が鳥海山に棲んで村人を苦しめたので、平安時代の斉衡3年(856年)に慈覚大師円仁が悪鬼を退治し、蔵王堂に1丈6尺の立木観音を安置したという。

平安時代中期頃と推定され、慈覚大師自刻と伝わる木造聖観音像が現存、県の有形文化財に指定されている。また、慈覚大師が築いたと言われる石段がある。

また、境内には、慈覚大師が悪鬼を退治した際に八講祭を行い、神恩に感謝する舞楽「チョウクライロ舞」を奉じたとされる土舞台が現存する。

現在のチョウクライロ舞の起源である。このチョウクライロが、鳥海山の語源になったという説がある。

長元年間(1028年-1038年)、龍頭八郎という樵が鳥海山の峰で瑠璃玉を見つけ、山上で神楽祭礼を行ったところ、鳥海山大権現が現れて衆生済度を約束した。

そこで、龍頭八郎を別当職とする龍頭寺が開山されたともいう。

明治2年(1869年)に龍山寺が神道式に改めて蔵王堂を鳥海神社とし、大正2年(1914年)に境内社の熊野神明社を合祀して現社号に改称した。

御祭神は、第27代安閑天皇伊弉冊尊・事解男命・大日霊命稲倉魂命八十枉津日大神

例祭は6月15日。現在は6月第2土曜日で、境内において国の重要無形民俗文化財に指定されている「小滝のチョウクライロ舞」が奉納される。

境内には白滝の蛙・タニククが安置されている。また、室町時代建立で、県の有形文化財に指定されている木造狛犬1対などを収蔵した宝物館もある。

役行者が発見した滝が、奈曽の白滝で、鳥海山から流れ出る水が、当地において、幅11メートル、高さ26メートルの大きな滝となって流れ落ちている。

【ご利益】
病気平癒、病魔退散、健康長寿、身体壮健
金峰神社(にかほ市) - 鳥海山の登拝口の一つ小滝口、奈曽の白滝とチョウクライロ舞
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