讃岐塩飽諸島本島に鎮座する悪魚退治を助けた烏、江戸期の鳥居や芝居小屋
[住所]香川県丸亀市本島町泊670
[電話]0877-27-3222

木烏神社(こがらすじんじゃ)は、香川県丸亀市の塩飽諸島本島にある神社。御朱印の有無は不明。

日本武尊、またはその子で、讃岐国造である武殻王の悪魚退治の案内役を勤めたとされる伝説の烏を祀ったと伝わる古社。

市のサイトなどでは日本武尊と紹介されているが、讃岐に残る伝承であれば武殻王になる。

三豊市高瀬町の大水上神社、東かがわ市の白鳥神社、綾歌郡宇多津町の宇夫階神社、丸亀市綾歌町栗熊西の宇閇神社に武殻王の伝承が伝わる。

御祭神は、大国主神・天押立神・少彦名神。伝承は、初代神武天皇の東遷の際の八咫烏に類似するが、天押立神は天押立命のことで、賀茂氏や八咫烏の祖の一人。

古くは木烏大明神と称した泊浦の産土神で、戦国時代より塩飽水軍の信仰を厚く得て、隆盛した。

境内には本殿・幣殿・拝殿のほか、拝殿の左前に江戸時代築の常設芝居小屋である千歳座が現存する。

千歳座は幕末の文久2年(1862年)に建築されたもので、舞台間口六間、瓦葺、入母屋造り。回り舞台や、天井には「ぶどう棚」、正面の板部分は突き出し舞台になる。

高さ4.5メートルの石造の鳥居は、織田信長から朱印状を与えられ、この塩飽の海と島々を統治した四人の年寄衆の一人、宮本伝太夫道意の子、半右衛門正信が江戸時代初期の寛永4年(1627)に奉納したもの。

この鳥居は、笠木(かさぎ)の両端が蕨手(わらびて)となる独特な形をしている。鳥居の柱には「石大工薩摩之住紀加兵衛」と刻字されている。

これら千歳座と鳥居は、鳥居の右にある、島民に伝える法度や触書などを掲示した制札場とともに、現在は市の文化財に指定されている。

例祭は10月8日・9日。

【ご利益】
水難除け、海上安全、交通安全、旅行安全、武運長久・勝運
木烏神社 - 讃岐塩飽諸島本島に鎮座する悪魚退治を助けた烏、江戸期の鳥居や芝居小屋
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