丹生都比売命と八幡を奉斎、10月には28メートルもの大獅子が舞う
[住所]香川県木田郡三木町大字井上43
[電話]087-898-7354

天野神社(あまのじんじゃ)は、香川県木田郡三木町井上にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

いわゆる天野明神で、丹生都比売命丹生都比売神社の御祭神で、弘法大師空海が高野山に金剛峯寺を創建した時に高野山の守護神として尊崇した神。

そのため、これを勧請した地は高野と名付けられるのが通例になったという。

当地はおそらく高野山と何らかの深い関係にあり、鎌倉時代以前に勧請し、当地も高野と名付けられた。

相殿の八幡神(誉田和気尊)は、社家である三好家の記録によれば、平安時代の陽成天皇の元慶年間(877年-885年)に筑前筥崎宮を勧請したもの。

しかし、『全讃史』によれば、井上村の松原五郎信義が戦国時代の元亀・天正年間(1570年-1591年)に河内壺井八幡神を迎えた、とも。

以上のように、当社は2柱の御祭神のため、例祭も10月14日と15日の二日間行われ、神輿渡御も二度行われた。

当社は井上村・平木村・鹿伏村(井上郷)を氏子地域としたため、井上八幡宮とも、高野八幡とも呼ばれた。現在は、天野八幡神社とも。

昭和3年(1928年)、昭和天皇即位御大典の祝賀記念行事として、地元有志が製作し、奉納した大獅子があった。

戦中になり、当社に埋もれていた獅子は、昭和62年(1987年)になって保存会が発足し、二代目、三代目の大獅子の制作も行われた。

三代目においては、長さが28メートルにもなり、町の指定文化財である鰐河神社の大獅子をゆうに上回る規模となった。なお、三木町は獅子舞いの町として知られ、他に氷上八幡神社の大獅子も有名。

現在は、毎年10月第4土曜日に、秋祭り「獅子たちの里 三木まんで願」に三頭の大獅子と、地元の小獅子が一同に会し、舞を披露する。

境内社として、諏訪免より移転して建御名方神を祀る諏訪神社、平成4年(1993年)に北野天満宮を勧請して菅原道真を祀る天満宮、三宝荒神社、仁徳天皇を祀る若宮神社がある。

また、境外末社として、『延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 讃岐国 三木郡「和爾賀波神社/和尓賀波神社」に比定される式内社(小社)の論社である引宮神社がある。

式内社「和爾賀波神社」の論社は他に、町内井戸の和爾賀波神社、町内下高岡の鰐河神社、白山神社がある。

【ご利益】
厄災除け、育児、健康長寿、五穀豊穣
天野神社(三木町) - 丹生都比売命と八幡を奉斎、10月には28メートルもの大獅子が舞う
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