「隅」「栗」「鵜」「足」にちなむ、武殻王・神櫛別命の裔が創建
[住所]香川県丸亀市綾歌町栗熊西
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宇閇神社(うえじんじゃ)は、香川県丸亀市綾歌町栗熊西にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 讃岐国 鵜足郡「宇閉神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

第19代允恭天皇の時代、酒部益甲黒丸が創祀したと伝わる。御祭神は、鵜茅葺不合尊

酒部益甲黒丸は、日本武尊の子で、初代讃岐国造である武殻王の六世孫。『新撰姓氏録』によれば、神櫛別命の裔だという。

日本武尊と神櫛別命は、第12代景行天皇を父とする異母兄弟となる。

武殻王であれば、三豊市高瀬町の大水上神社、東かがわ市の白鳥神社、綾歌郡宇多津町の宇夫階神社、塩飽諸島本島の木烏神社などに伝承が残る。

神櫛別命ならば、坂出市の城山神社に、神櫛別命の裔に関してはさぬき市の神前神社に伝承が残る。

城山長者と呼ばれた酒部益甲黒丸だが、自分の家に井戸がないのを悩んでいた。

その家の東北隈に栗の木があり、そこへ鵜が集まり、その足元に清泉が湧いたという。夜には星影が水に映って王の井と言われた。

鵜足郡・粟隈・隈玉の名も当社やその伝承にちなむという。その後、歴代領主に崇敬されたが、いずれかの時期に荒廃。

江戸時代は、鵜井権現・玉井権現・妙見権現・十二社権現と称していたという。明治初年に村社に列した。

平成2年(1990年)、町が西谷・定連線改良のため、神社用地を買収、その資金と氏子崇敬者の協力で、老巧化した拝殿・幣殿の改築、参道の整備、御旅所の拡張などが行われた。

例祭は10月第3日曜日で例大祭。境内社に八幡神社がある。

境内には、宇閇神社古墳がある。6世紀と想定される直径16-17メートル、高さ4メートルの円墳。中心部の玄室は市内最大で、奥行き4.9メートル、高さ2メートル。

盗掘されていたため、棺、副葬品ともに残されていないが、市内にある後期古墳で、ほぼ完全な形の数少ない古墳の一つ。市の史跡に指定されている。

なお、式内社「宇閉神社」の論社は他に、町内岡田下に同名の神社がある。

また、大和国広瀬郡にも同音の式内社「於神社」があり、於神社廣瀬大社の境内摂社である水分神社が論社。

大和国広瀬郡の式内社には讃岐神社もあり、当社や当地との関わりが指摘される。
 
【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、地域振興、地域安全、家内安全
宇閇神社(栗熊西) - 「隅」「栗」「鵜」「足」にちなむ、武殻王・神櫛別命の裔が創建
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