忌部の社、古代から連なる宮司家、飛鳥朝奉斎の神像が重文
[住所]香川県善通寺市大麻町上ノ村山241
[電話]0877-73-2648

大麻神社(おおさじんじゃ)は、香川県善通寺市大麻町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 讃岐国 多度郡「大麻神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

当社の鎮座する大麻山は、山全体が古墳群として著名で、弥生時代から古墳時代にかけての遺跡・出土品も多い。

宮司白玖氏は、代々当社の神主を勤める家系で、古代より連綿とつながっている。

創祀は往古、初代神武天皇の時代、諸国に忌部の社を建て、祭祀した際の一社。当地の忌部氏は、阿波忌部と協力して讃岐を開拓したという。御祭神は、天太玉命

第12代景行天皇23年、南海に悪魚が出現して災害をなした。皇子の神櫛王に勅して討伐させた。その際、当社で祭祀を行い、平定後、国造に任じられる。

神櫛王の伝承は県内の東かがわ市にある白鳥神社や、坂出市の城山神社、琴平町の櫛梨神社にも残る。その墓は、高松市牟礼町にある。

飛鳥時代の白鳳11年(683年)、瓊々杵尊と供奉32神の木像を奉斎したという。天太玉命を除く供奉31神の配神は以下の通り。

天香語山命・天櫛玉命・天糠戸命・天御陰命・天神立命・天三降命・天伊佐布魂命・天事湯彦命・天神玉命・天村雲命・天世手命・天湯津彦命・天神魂命・天乳速日命・天活玉命・天下春命・天鈿女命・天道根命・天明玉命・天造日女命・天玉櫛彦命・天日神命・天伊岐志迩保命・天表春命・天児屋根命・天椹野命・天背男命・天斗麻彌命・天八坂彦命・天少彦根命・天月神命

現在に伝わる天太玉命座像・彦火瓊々杵命座像は平安時代後期の作とされ、国の重要文化財に指定されている。

平安時代、『日本三代実録』貞観7年(865年)10月9日の条に「讃岐国従五位下大麻神授従五位上」とある。

『日本紀略』延喜10年(910年)8月23日の条に「授讃岐国大麻天神従四立下」とある。天慶4年(941年)には門守神を神門に奉斎した。

南北朝時代の永徳元年(1381年)までに正一位まで神階が進んだ。江戸時代は「大麻天神」と称した。

明治5年(1872年)に郷社に列し、昭和8年(1933年)6月19日には県社に昇格した。

例祭は、10月6日と7日で、現在は10月第1土・日曜日に行われる。

境内社に白玖祖霊社・天神地祇社などがある。祖霊社には、社家の白玖氏が穂積氏の流れを組むことからか、穂積忍山宿禰(建忍山垂根)の娘である弟橘媛を祀る。

旧村名、現在の町名も当社にちなむ。

【ご利益】
学問成就、平穏安寧、五穀豊穣・商売繁盛
大麻神社(善通寺市) - 忌部の社、古代から連なる宮司家、飛鳥朝奉斎の神像が重文
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大麻神社(善通寺市)の御朱印