鏡神社（かがみじんじゃ）は、佐賀県唐津市鏡にある神社。松浦国の総社で、松浦三社の一位とされた。近代社格では県社。松浦総鎮守鏡神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

本殿が2棟あり、一ノ宮に息長足姫命（神功皇后）が南向きに、二ノ宮に藤原広嗣が東向きにそれぞれ祀られている。

社伝では、三韓征伐の際、神功皇后が鏡山山頂に戦勝を祈願して鏡を納めた。現在、山頂には鏡山神社が鎮座する。

その後その鏡が霊光を発したことから、それを聞いた神功皇后が自らの生霊を鏡に込めて祀った。

また、三韓征伐の帰途、神功皇后は当地で陣痛に襲われたが、里人が差し出した湧き水を飲むと陣痛が治まり、宇美の地で無事に応神天皇を産んだという。

このことから安産の霊験もあるとされる。また、応神天皇が長命だったことから、長寿のご利益もあるという。

奈良時代、玄昉と対立した藤原広嗣が乱を起こし（藤原広嗣の乱）、広嗣が当地で処刑された10年後の天平勝宝2年（750年）、肥前国司に左遷された吉備真備が、広嗣を祀る二ノ宮を創建した。

広嗣処刑の後、玄昉が筑紫に左遷され、そこで歿したことから、これは広嗣の怨霊のせいであるとされ、それを慰めるためだった。

鏡尊廟宮、鏡宮、松浦宮、板櫃社、久里大明神などと呼ばれていたが、空海（弘法大師）が現社号に改称したと伝える。

『源氏物語』玉鬘の巻で肥後の豪族大夫監が玉鬘に宛てた歌に「松浦なる鏡の神」と詠まれている。

例祭は10月9日。近年は10月第3土曜日とその翌日の日曜日。「鏡くんち」と呼ばれ、両日にわたって2台の曳き山笠が出る。

春季例大祭が4月9日で、現在は9日に近い日曜日。その際に雛供養祭も執行される。11月28日には藤原祭がある。

神仏習合の名残を今も受け継いでおり、絹本着色楊柳観音像が国の重要文化財に指定されている。佐賀県立博物館に寄託。

当社の狛犬は「虎」の姿をしており、オスとメスの対になっており、メスの狛犬の足元には子どもがいることから「子育て狛犬」と呼ばれている。

【ご利益】
安産、子育て、健康長寿、諸願成就

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