王子の狐火「狐の行列」、王子稲荷神社への参拝で装束を整えた地に鎮座
[住所]東京都北区王子2-30-14
[電話]03-3911-2227

装束稲荷神社(しょうぞくいなりじんじゃ)は、東京都北区王子にある神社。宇迦之御魂神を祀る。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建の詳細は不詳だが、往古附近一帯は野原や田畑ばかりで、その中に榎の大木があり、そこに社を建てて王子稲荷神社の摂社として鎮祭したのが始まりだという。

社名は、毎年12月晦日の夜、関東八ヶ国の稲荷の使いがこの村に集まり、ここで装束を整えて関東総司の王子稲荷神社に参拝する例にちなむものだという。

榎の大木は装束榎とも呼ばれ、当時の農民はその行列の時に燃える狐火の多少によって、翌年の作物の豊凶を占ったという。

江戸時代、安藤広重がその様子を浮世絵として残しおり、『新編武蔵風土記稿』にもその様子が記述されている。

その後、明治時代になり、榎の大木は枯れた。または、昭和4年(1929年)、道路拡張に際して切り倒されたとも。

装束榎の碑が現在地に移され、後にこの榎を記念して当社社殿も整備された。

昭和20年(1945年)4月13日の東京大空襲の際、猛烈な勢いで東南より延焼して来た火災を、ここで完全に食い止めて西北一帯の住民を火難から救ったという。

商売繁昌の守護神のみならず、信心篤き者は衣装に不自由することなく、また火防の神としても信仰されている。

例祭は初午。毎月7日、17日、27日に縁日がある。平成5年(1993年)からは、王子の狐火の話を再現しようと、地元の人々によって、王子「狐の行列」が始められた。

毎年大晦日から元日にかけての深夜に、狐のお面をかぶった裃姿の人々が、当社から王子稲荷神社までの道のりをお囃子と一緒に練り歩く光景が繰り広げられる。

なお、当社は、茨城県笠間市の笠間稲荷神社、神奈川県秦野市の白笹稲荷神社とともに、関東三大稲荷と呼ばれる。

ただし、当社はあくまでも王子稲荷神社の摂社だったこと、かつ王子稲荷神社は関東稲荷の総司(総社)であることを考えれば、関東三大稲荷の一つは王子稲荷神社の方がふさわしいか。

【ご利益】
衣服・火防、商売繁盛
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