「小野の里」に鎮座、鎌倉期の愛甲季隆が崇敬した愛甲郡総鎮守
小野神社(神奈川県厚木市小野428)
[住所]神奈川県厚木市小野428
[電話]046-247-2734 - 熊野神社

小野神社(おのじんじゃ)は、神奈川県厚木市小野にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 相模国 愛甲郡「小野神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

御祭神は、日本武命。当社の創建時期は不明であるが、式内社であり、古くから小野の地に鎮座している神社である。

当地域は古くより「小野の里」と呼ばれ、『和名類聚抄』にも記載されている愛甲郡「玉川郷」の中心地だった。

社伝によれば、奈良時代の霊亀2年(716年)、行基が薬師如来の像を刻んで当社に奉安したという。

鎌倉時代には、源頼朝以来三代に渡り御家人として将軍に仕え、弓の名手として名高い、愛甲村に館を置く愛甲三郎季隆が当社を篤く信仰していた。

古い納札には建久5年(1194年)に当社を再興した記録があり、その時の願主に愛甲三郎季隆の名があり、また鎌倉幕府政所長官の大江膳大夫廣元の名も残っている。

以降、社殿は現在までに5回改められている。なお、愛甲氏の本家である横山氏は、小野妹子の子孫といわれている。

当社はもともと、現在の場所より西南方向に200メートル程の丘陵、通称「神の山」に位置していた。

嘉永年間(1848年-1854年)の初頭頃、現在地に移転。旧地は私有地になっており、当社移転後に立てられたと思われる秋葉神社の小祠が鎮座している。

明治6年(1873年)には郷社に列し、愛甲郡総鎮守として崇敬された。嘉永元年(1848年)築の拝殿はそれまで藁葺屋根であったが、昭和43年(1968年)には鉄板葺に替えられた。

扁額に現在も残っている「閑香大明神」は、江戸時代に称していた名で、一般には小野の「閑香さま」と呼ばれていた。

江戸時代に編纂された『新編相模国風土記稿』からは、当時の社名が「閑香大明神」、御祭神は「下春命」であったことがうかがえる。

下春命であれば、東京都多摩市や府中市の同名神社と同じということになる。

御祭神が現在の日本武命になったのは明治時代に入ってからで、「日本武尊が東国に遠征する際に野火の焼きうちにあった」という『古事記』の記述の地が、小野と関係するとされたことによるという。

境内社に、八坂神社・春日神社・淡島神社・阿羅波婆枳神社・日枝神社・古登比羅神社・稲荷神社がある。

例祭は4月21日。7月13日に境内社八坂神社の祭典と思われる天王祭(天王さん)がある。現在は、厚木市愛甲の熊野神社の兼務神社である。

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