雄略朝で祭祀を執行、若日下部命を勧請、武家政権に崇敬された式内古社
[住所]神奈川県藤沢市打戻3012
[電話]0466-48-1427

宇都母知神社(うつもちじんじゃ)は、神奈川県藤沢市打戻にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 相模国 高座郡「宇都母知神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

御祭神は、天照大御神和産霊神。当社の創建時期は定かでないが、『日本総国風土記』によれば、第21代雄略天皇の御代(495年)に厳粛な祭祀が執り行われたという。

また、これまでに転社(移転)の記録はないが、同風土記では当社の鎮座地が相模国鷹倉郡宇都母知郷とある。

平安時代の天慶2年(939年)、大和国泊瀬より若日下部命の尊霊を遷座、相殿に合祀した。若日下部命は養蚕を盛んに奨励したという。

鎌倉時代の正応3年(1290年)、鎌倉幕府8代将軍久明親王の執権である北条貞時が社殿を改築している。

江戸時代になり、寛永4年(1627年)、当地の領主である高木主水源正次が社地900坪を寄進して本殿の改築を行なっている。江戸期には「大神宮」「神明宮」とも呼ばれた。

明治6年(1873年)12月には郷社に列し、大正12年(1923年)の関東大震災により安政5年(1858年)造の社殿は全壊したが、3年後の大正15年(1926年)9月には全復旧し現在に至る。

境内を西側に出て道を挟んですぐのところにある鐘楼の釣鐘は、昭和20年(1945年)の春に太平洋戦争の物資回収により献納されたため、暫く設置のされないままだったが、昭和50年(1975年)になって再建された。

また、境内の全域が風致林の指定を受けており、昭和49年(1974年)には自然環境保全地域に指定されている。

例祭は9月15日。当社の神輿は百数十貫といわれる豪華なもので、毎年例祭日には氏子を始め近隣の崇敬者たち多数により渡御が行われる。

境内社として、菅原神社・稲荷神社がある。打戻字大平2009番地には社有地の溜池がある。

打戻という地名の由来として、当社の「宇豆毛遅」(うずもち)が訛って打戻(うちもどり)となったという説がある。

また、古語において「うつ」と「もち」にはどちらも「小さな盆地」という意味があり、当地の地形からまず「ウツモチ」と呼ばれるようになって「うちもどり」に転化したともされる。

この他には、海老名の刀鍛冶屋、五郎正宗が鎌倉へ向かう道中この地で休憩した際に、これから納める刀の出来がよくないことを思い、「家に戻って打ち直した」ことから地名となったとする説もある。

【ご利益】
開運招福、五穀豊穣・商売繁盛、産業振興
宇都母知神社 - 雄略朝で祭祀を執行、若日下部命を勧請、武家政権に崇敬された式内古社
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