奈良期創祀の山口六社大明神、近世は大隅随一の規模、2月に春祭と市渡祭
[住所]鹿児島県志布志市志布志町安楽1520
[電話]099-472-3437

安楽山宮神社(あんらくやまみやじんじゃ)は、鹿児島県志布志市志布志町安楽にある神社。正式には山宮神社のみ。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

社伝によると、奈良時代の和銅2年(709年)、御在所岳の山頂に天智天皇を祀り、山宮大明神と号したのに始まる。

大同2年(807年)に山口大明神(大友皇子)、若宮神社(持統天皇)、中宮神社(玉依姫)、鎮母神社(倭姫)、蒲葵御前社(乙姫)を合祀して、山口六社大明神と号し、現在地に祀られた。

平安時代の安和元年(968年)には神領500町歩の寄進があり、最盛時には「御祭百弐拾四度」と記録にある。

新納、肝付、島津氏などにより社殿の造営・修築が行われた。江戸時代になり、享保19年(1734年)には正一位の宣旨を受けた。

藩政時代には48種の祭事が斎行されたといい、舞殿・観音堂・籠所・御供所・鐘楼などの建物が付随し、大隅随一の規模とされた。

明治2年(1869年)の廃仏毀釈以降、現社号に改称する。

現在建築物などは新しくなっているが、宝物は、国の重要文化財「唐草鴛鴦文様銅鏡」1面含む銅鏡100面、能面・神舞面など平安時代からのものも含め多数にのぼる。

また、同市田之浦にある同名神社とは関連が深い。田之浦でも同一の創祀伝承を残しながら、微妙に違う解釈がなされている。

境内には高さ23.6メートル、幹周17.1メートル、推定樹齢1000年という楠の巨木があり、「志布志の大クス」として国の天然記念物に指定されている。

2月第2土曜日が春祭。祭典中に「宮廻り」というお田植え行事を行う。「田打ち」「かぎひき」「正月踊」は県指定無形民俗文化財。1.5キロ離れた安楽神社と合同で行われる。

2月第3日曜日は市渡祭(おくだり)で、一番舞・地割舞・鬼神舞・鉾舞・剣舞・平神随・出羽随などの神舞が奉納される。

【ご利益】
諸願成就、家内安全、安産
安楽山宮神社 - 奈良期創祀の山口六社大明神、近世は大隅随一の規模、2月に春祭と市渡祭
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