祁答院領主の島津歳久を祀る、9月の秋季例祭「金吾様祭り」
[住所]鹿児島県薩摩郡さつま町中津川2234
[電話]0996-57-0884 - 中津川交流館

大石神社(おおいしじんじゃ)は、鹿児島県薩摩郡さつま町中津川にある神社。近代社格では無格社。御朱印の有無は不明。

祁答院12ヶ村(佐志・湯田・時吉・虎居・平川・船木・久富木・鶴田・紫尾・柏原・求名・中津川)2万石弱の領主・島津歳久を御祭神とする。

島津歳久(1537年-1592年)は島津15代当主島津貴久の3男で祁答院島津家(日置島津家の前身)の祖。左衛門督(唐名が金吾)と称したため、今でも地元では「金吾様」と呼び親しまれている。

なお、歳久の前の領主である祁答院良重も配祀する。祁答院良重は祁答院12代当主祁答院重武の嫡男で、祁答院氏13代、最後の当主。

つまり、主神が島津左衛門督歳久公、配神が祁答院河内守良重公。

両祭神とも祁答院地方(現在のさつま町と薩摩川内市祁答院町)を統治した武将で虎居城(さつま町宮之城)を本拠とした。また境内末社に南方神社(建御名方神)がある。

正確な創建年は不詳。寛永年間(1624年-1645年)には「歳久石塔(歳久供養塔)」として存在していた。社殿を有するようになったのは幕末ごろとされる。

当社地は、祁答院領主であった歳久が鹿児島往還の際に休息をとっていた場所であると伝わる。社名は「御石(おいし)」が訛ったもの。

武の神や安産の神として崇敬され、妊婦が参詣の際には境内にある石を拝戴し、出産後に拝戴した石と、もう一つ新たな石を添えて奉納するという風習も今に伝わっている。

9月の秋季例祭は別に「金吾様祭り」と呼ばれ、「金吾様踊り」と総称される各種郷土芸能行事が奉納される。

その中でも、バラ踊りは、八幡を背負い直径一米程のバラを抱えた踊り手が、鉦の音に合わせて踊るもの。近年には狂言も復活した。

また、かつては「大念仏踊り」と呼ばれる芸能行事も行われており、総勢500名を超える大名行列風の壮大な舞踊行事だった。現在では「大念仏踊り」の中の一部分の踊りが奉納されている。

歳久を祀る神社は他に、鹿児島市の平松神社がある。当社境内にある蘇鉄は、紀元2600年記念の際に平松神社より移植されたものである。

【ご利益】
武運長久・勝運、安産
大石神社(さつま町) - 祁答院領主の島津歳久を祀る、9月の秋季例祭「金吾様祭り」
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